先日建売住宅を購入希望のお客様を案内していた時に、ふと思ったことがあります。
ご案内させていただいたのは、20代の新婚の若い夫婦。
新婚で、20代という若さで一戸建てを探している幸せそうな様子に、案内しているこちらも楽しい気持ちにさせられます。
いつものように物件を案内して説明して、買い方の流れを説明したのですが、なんとな~く、僕の説明が足りていないような気も・・・・
お客様は、物件の良し悪しの判断はもちろんできているのですが、住宅ローンや登記の知識などはまったくない様子で説明してもピンときていない様子・・・
そう、このお客様は「賃貸住宅を探す感覚で、新築一戸建の購入を考えている」いるようでした。
確かに、スーモやHolme’sなどのポータルサイトで家を探す感覚は、賃貸でも建売住宅でも同じです。
不動産会社に問合せして、家を見て買う。
建売住宅の買い方は確かにそのとおりなのですが、、、
月々に支払う家賃も住宅ローンの月々の支払と比べて同じぐらいなら良いかな~程度で考えています。
つまり、購入時にかかる諸費用も、購入後のメンテナンス費用も、固定資産税も分からない状態です。
そうなると、一つ一つ丁寧に説明するも、どこからどこまでを説明すれば良いのかと迷います。
やはり、買い方マニュアル的なものはあった方が良いな~と思いました。
それも超初心者の人がみて、流れがバチっとイメージできるぐらいのマニュアルをつくろうということで、
買い方マニュアルをつくってみました。
目次
建売住宅の買い方マニュアル~まずは、事前準備をしましょう~
家を購入するというと、大きな買い物ですので、凄い時間も労力もかかるようなイメージがありますが、
完成している建売住宅の場合、1か月後には引っ越すことも出来ます。
ローンを使わず現金で購入の場合、来週には住むことも不可能ではありません。
ですが、焦って急いで買うものではないと、僕は思います。
時々そういう方はいますが、逆に売る側の営業マンが警戒して慎重に進めたりすることも・・・
何が言いたいかと言うと、その気になれば、すぐに買えるものですので、
「問合せをして内覧すると、いきなり物事が進むことを見据えて事前準備をしましょうね!」
ということです。
知識が多いに越したことはありませんが、最低限知っておくべきことをまとめてみました。
0.賃貸か戸建てかマンションか?
新築一戸建ての建売住宅の購入を検討している方向けのマニュアルですが、そもそも、一戸建てで良いのか迷っている方もいるでしょう。
まずは、何を買うのか?なぜ買うのか?
また、購入するタイミングなど、そもそも「買うことについて検討」する場合の参考に。。。
マンションVS一戸建て!メリットとデメリットを比較して選んだ結果・・・
また、一戸建てにしようと思った時に、注文住宅か建売住宅か迷うこともあるかもしれません。
注文住宅の流れは、下記にまとめていますのでご参照ください。
注文住宅の新築で失敗や後悔をしない為に、流れと考えるべきポイントを整理してみた!
1.住宅ローンについて
続いて知っておきたいのが、住宅ローンについての知識です。
住宅ローンの流れや、資金計画の考え方などまとめてました。
そもそもいくら借りられるのか?
またいくらの物件までなら買えるのかを知ることで物件の選択が出来るようになります。
住宅ローンシュミレーションの使い方を分かりやすく~年収や返済額の計算から考える家の買い方~
2.諸費用の種類と金額
資金計画をする時に知っておきたい諸費用のこと。
仲介手数料不要!の秘密など知っておきたい情報も下記コンテンツに記載してますので一読をおすすしています。
3.希望のエリア
希望のエリアをある程度しぼっておくことは非常に大事です。
後で紹介する優先順位ともリンクするところではありますが、どこに家を買うのかが定まっていないと、新築をいくら見ても決断することが難しくなります。
土地の値段の面白いところですが、区が変わると値段が極端に変わるということは当然のこととしてあります。
区界の道路を挟むと、そのどちら側かというだけで、値段が圧倒的に違います。
土地付きの新築一戸建ての場合、1000万円ぐらい違うことも普通にあります。
また、東京の場合、山手線の内側か外側か、隅田川や荒川の内側か外側かによっても同じく1000万円ぐらい変わることも多いです。
生活のしやすさなど希望のエリアを考える方向と、予算から希望のエリアを絞る方法の二通りの方向が考えられます。
4.理想の間取りと最低限必要な間取り
3LDKが良い。4LDKが良い。
記号化された家のスペックがありますが、その基準だけで本当に良いかというと、少し違うと個人的には考えています。
予算のあることですので理想と現実の間のちょうど良い間取りを考えると失敗しない家探しが出来ます。
5.ランニングコスト
家を買うといろいろなランニングコストがかかってくるんだろうな~というのは漠然と思うところ。
具体的には、固都税(固定資産税とと都市計画税)、光熱費、リフォーム費用、住宅ローンがかかってきます。
賃貸の場合でも、家賃、光熱費はかかってくるので、月々の家賃に変わって、月々の住宅ローンの返済と考えれば、大きく違うのは、固都税とリフォーム費用ということになります。
固定資産税が具体的にいくらかかっているかは実例を記載しましたので以下のコンテンツをご参照ください。
固定資産税はいつ、いくら支払っている?新築一戸建て35坪の我が家の実例
6.借地権付き一戸建について知っておく
借地権付一戸建というと、借りるというイメージだけで、建物の価格だけじゃないのか?と思っている方も少なくありません。
借地権も売買できる権利ですので、資産価値はあります。もちろんメリット・デメリットはありますので、誰にとっても良いというものではないですが、選択肢に入れておくことで、理想の物件に出会えることもあるかもしれません。
基本的な事柄をまとめておきました。
旧法借地権、普通借地権、定期借地権の違いを分かりやすく図解してみる。
7.優先順位をある程度決めておく
家を買うにあたっては、一人ひとりのまた家族毎の優先順位が存在しています。
立地なのか建物なのか、間取りなのか、デザインなのか・・・
何を優先して判断するのかをある程度方向性を決めておくと良いでしょう。
優先順位の考え方は以下のコンテンツにまとめました。
以上内容を押さえたら、いよいよ物件探しとなります。
なかなか調べるボリュームも多いかと思いますが、この部分をしっかりと知って知識をつけておくと物件探しの良し悪しの判断が明確になるので、見やすくなりますよ!
情報収集をしよう
次に物件の情報を収集します。
もちろん、事前準備と平行しながら進めて良いと思います。
相場感をつかむことが大事だと思うのですが、
建売住宅がだいたいいくらぐらいで販売されているのかを、ゆる~くでもつかんでおくと良いです。
相場の調べ方は、SUUMOなどのポータルサイトで物件を見たり、
街中で販売中の物件があれば、広告をとって確認してみたり、新聞折込やポスティング広告に載っている販売物件をみたり。
とにかく、たくさんの情報を収入していると、相場はなんとな~く分かってきます。
見る時のポイントは、立地、土地の大きさと土地の形状、建物の大きさ、所有権か借地権、などを見比べていくと良いです。
問合せして内覧してみる
事前に最低限必要な知識を勉強した上で、建売住宅は、いくらぐらいで販売されているのかを
なんとな~くつかんでみたら、次にすることは内覧です。
内覧する時にポータルサイトから問合せをするのも一つの方法ですが、おすすめの方法は、タウンライフ不動産売買を利用することです。
この方法の良いところは、住みたいエリアの情報を一括で取り寄せられることと、オンライン上には掲載されていない非公開物件情報も含めて取り寄せができる点にあります。
詳細は公式ページをご覧いただきたいと思いますが、ポイントだけを解説すると、
本当に良い物件の情報は、スーモやホームズなどオンライン上に掲載する前に売れているということが言えます。
つまり非公開物件のまま売買が完了してしまっているということが実は良くあります。
そこに目をつけて情報を取り寄せできるサービスがタウンライフ不動産売買です。
そして、各社から資料が届きましたら目を通して気になった建物はどんどん見るようにしましょう。
見ればみるほど目は肥えていきますが、評論するつもりで見ていると、
「住宅ジプシー」になるおそれがありますので、
良い物件があれば即買うという意思をもって見た方が賢明です。
合格点の物件に出会えたら申し込む(住宅ローン事前審査を申し込む)
内覧していくなかで、「ここぞ!」という物件に出会えたら、思い切って申込しましょう。
決断に迷うようなら、まずは、事前審査を出してみると良いです。
買えないという状況が、物件を決めた後に襲ってきても悲しいものがありますので。。。
住宅ローン審査でOKが出たら買うという意気込みで、担当者に相談すると、
申込も同時にするのか、事前審査だけにとどめておくかもろもろ判断してくれます。
ちなみに、申込の時点で、申込金がかかる業者とかからない業者がありますので、
そこは注意して確認してみてください。
また同時に申込金の性質もしっかりと確認しておいた方が良いです。
売買代金に充当するのかどうか、キャンセルした場合はどうなるのかなどですね。
ちなみに、物件探し前にも事前審査が出来るようになりました。
住宅ローンに不安がある方は下記コンテンツをご参照ください。
住宅ローンが不安。いくらまで借りられる?仮審査のタイミングは家探し前!
売買契約をする
いよいよ売買契約です。
不動産の契約の時には手付金が必要となります。
この手付金は、解約手付と言って、売買価格に充当する金額ではありますが、
契約したけど「やっぱや~めたっ!」という時に払う必要がある金額です。
つまり、100万円の手付金を払って契約した場合、やっぱりやめたとなると、
100万円を放棄する必要があります。
逆に不動産会社(売主)の方がやめたという場合は、受け取った100万円を返して、
さらに同じペナルティの100万円を計上することで契約解除は出来ることになっています。
業者が解約って、どんな場合にありえるかと言うと、
100万円の解約手付だけど、例えば300万円高く買う!という人が出てきた場合、
そちらに売った方が利益が出るのでそうなる可能性があるというわけです。
信用問題にもなりかねないので、今の時代は、手付解約ってあまりないかと思いますが、、、
バブルの時代は良くあったみたいです。。。
引き渡しの準備をする
晴れて契約が完了したら、後は引渡の準備です。
引き渡しまでのタスクは以下の通り。
・住宅ローンの本申込
・住所変更(暗黙の了解です)
・住宅ローンの金消契約
住宅ローンの金消(きんしょう)契約とは?必要書類と当日の失敗例・・・
・表示登記、家屋証明書の取得
・ユーザーチェック
ここは、業者さんが案内してくれるままに淡々と進めましょう。
ちなみに、平日がお仕事でなかなか役所に行けないという場合は特に、
住民票や印鑑証明の必要な数とタイミングを早めに確認しておいた方が良いです。
小出しにされて都度とりに行くというのは大変で仕方ないですので。
お引渡・決済当日
そしていよいよ決済日当日を迎えます。
決済当日は、住宅ローンが振り込まれて、売買代金をお支払いします。
同時に土地および建物の権利の登記を行います。
決済に何をするかについての詳細は、下記の記事をご参照ください。
新築や不動産売買の引き渡し・決済の流れ~当日は具体的に何するの?
そして、いよいよ鍵を受け取ることが出来ます。
おめでとうございますっ!
という流れです。
引越しに関しては、引き渡し後のいつでも大丈夫です。
ただし、住宅ローンの支払いが始まりますので、
賃貸に住んでいて建売住宅の購入の場合、家賃と住宅ローンの支払いが重なると大変ですので、
早め早めの段取の方が良いですね。
ちなみに、賃貸は1ヶ月前に解約する旨を伝える必要がありますので、
引き渡し日が見えたら、その日以降に引っ越し日を決めて、
それに向けて最低1か月はかけて引っ越し準備をする流れになります。
以上、建売住宅の買い方マニュアルをお届けしてきました。
各項目について詳細を書いていますので、より詳しく知りたいところは参考にしてみてください。