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NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とZEH oriented(オリエンテッド)の違い

ニアリーゼッチ、ゼッチオリエンテッド、違い

住宅業界において、ZEH(ゼッチ)関連の情報を耳にする機会はぐっと増えたように感じてます。

ですが、一般の消費者、つまり「お施主様からZEHの家を建てたいのですが・・・。」

という質問はさほど多くないような気もしています。

僕が働いている企業が、ZEHをメインにして取り組んでいないからかもしれませんが、東京都内の狭小地での建築において、太陽光発電をドンっと載せて陽当たりの良い家を建てるというのが、そもそも出来ないという事情もあるのかもしれません。

そんな時に、知っておきたいのが、NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)ではないでしょうか。

経産省におけるZEHの定義では、NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)もZEHに含めるとあります。

ではこの、NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)とは何なのでしょうか?それぞれの意味と違いについて紹介していきます。

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とは?

ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのことです。

詳細は下記コンテンツでも紹介しておりますので、ZEHって何?という場合は、下記コンテンツをご参照ください。

関連:LCCM住宅とZEHとZEH+とサステナブル建築の定義の違い。

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とは、ニアリーの意味のとおり、

ZEHに近い住宅という意味です。

具体的な定義としては、経済産業省が発表しています。

Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) ZEHを見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネル ギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量 をゼロに近づけた住宅

出典:http://www.meti.go.jp/press/2015/12/20151217003/20151217003-1.pdf

ZEHのようにゼロではないけど、ゼロに近づけた一定の基準のものはZEHと認めますよ。

ということですね。

具体的な違いは、

再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から 75% 以上 100%未満の一次エネルギー消費量削減

の部分が違います。

ちなみにZEHの定義は、

① 強化外皮基準(1~8地域の平成 25 年省エネルギー基準(ηA値、 気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1、 2地域:0.4[W/㎡K]相当以下、3地域:0.5[W/㎡K] 相当以下、4~7地域:0.6[W/㎡K]相当以下)

② 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以 上の一次エネルギー消費量削減

③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)

④ 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から 100% 以上の一次エネルギー消費量削減

出典:ZEHロードマップ検討委員会とりまとめ

となっています。

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)は、④の部分以外はZEHの定義と一緒です。

ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)とは?

ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)について見ていきます。

oriented(オリエンテッド)の意味は、辞書によると、「~志向の・~を重視する」とあります。つまり、端的に言うと、ZEH重視

これだけだとあまり意味が分からないですよね。

もう少し詳しく見てみると、ZEH orientedに該当されるものは、「都市部狭小地」でのZEHの基準とされています。

つまり、狭小地であるがゆえに、十分な発電見込めないけど、ZEH基準の断熱性能や省エネ性能は持っています。

という建物がZEH orientedと言うことになります。

つまり、ZEHとの違いは、ZEHの基準は満たしているが、太陽光発電が見込めない狭小地の建物ということになります。

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NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)の補助金を使う場合の注意点

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)が補助金の対象となる為には、実は、エリアが限られてきます。

(※年度による補助金制度によって異なる場合もありますので、都度ご確認ください。)

そのエリアは、

寒冷地(地域区分1又は2地域)、低日射地域(日射区分が A1 又は A2 の地域)又は多雪地域(垂直積雪量 100cm 以上)

とされています。

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)は、そもそもなんで75%~100%未満でOKかと言うと、そもそも日射量が少なかったり、一年を通して雪の為に、発電があまり見込めないというケースに対応していると言えそうです。

そういう意味では、土地の大きさによる、ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)への緩和と似ています。

 

ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)での要件は、ZEH の定義に基づき、都市部狭小地北側斜線制限の対象となる用途地域2であって、敷地面積が 85m2 未満である土地)に建築されるもの(平屋建ての場合を除く)に限る。

 

というように、ZEHの為の建物のスペックはあるけれど、立地条件的にZEHには出来ないという場合にもZEHとして認められるよう緩和してるのが、NearlyZEHとZEH orientedの共通点です。

違いは、その立地要件が、寒冷地等なのか狭小地なのかという違いと言えそうです。

 

ZEHビルダーを確認しよう!

ZEHの補助金を使う場合において、ZEH、NearlyZEHとZEH orientedのいずれにも言えることですが、どこのハウスメーカーでZEHの家を建てても良いわけではありません。

建てる家(もしくは改修する家)のスペック的にはZEHを満たしていたとしても、施工店が違うと補助金の対象外になりますのでご注意ください。

 

では、どこのハウスメーカーや工務店なら補助金が使えるかと言うと、

SIIに登録されているZEHビルダー/プランナー によって設計・建築・改修または販売されること

とあります。

SIIは、Sustainable open Innovation Initiativeの略称で、一般社団法人 環境共創イニシアチブのことです。

 

つまり、ZEHのビルダー登録がされている企業でないとダメと言うことです。

 

え、探すの大変そう・・・

 

と思うかもしれませんが、以外と簡単で、一般社団法人 環境共創イニシアチブのホームページにて確認できます。

ZEHビルダーは実はかなり多かったりします。

まとめ

ZEHという住宅のスペックは知られてきていますが、ZEH+、NearlyZEH(ニアリーゼッチ)、ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)は、どんどん普及されていくことと思います。

国の方針としての、ZEHの住宅はどんどん進めていく目標があります。

NearlyZEH(ニアリーゼッチ)、ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)を制定されることによって、いままではエリア的な事情でZEHはそもそも無理と考えていた企業やお施主様も、視野に入るようになるでしょう。

 

またここでは説明していないですが、ZEH+、LCCM住宅というZEHを更に進化させた住宅も登場してきています。

関連:CCM住宅とZEHとZEH+とサステナブル建築の定義の違い。

いずれも、環境の為の制度ですし、高性能、高断熱の結果、光熱費の削減や住環境の向上に繋がりますので、快適な住まいへのアイデアとしてZEHを取り入れるのは良いことですよね。

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