家の売却を考えた時にまずすることは、「複数の不動産会社に査定を依頼することです!」と、様々なところで言われています。
実際にまず売却査定するというのは、正解だと僕も思います。
ですが、いきなり査定をお願いするよりもざっくりとでも良いので自分なりの相場観や査定価格は把握しておきたいもの。
自分の売却査定金額の目安を持っていることで、不動産会社の査定の真偽も分かりますので、失敗のない納得のいく売却ができると考えています。
ですが、自分で査定をしようと思っても、どうやって査定をしていいか分かりません。
そこで、僕が普段不動産会社の営業マンとして行っている売却査定の方法を紹介していきます。
もちろん、プロだからこそすんなりできるやり方もありますが、誰でもできる方法も要点を絞って紹介していきます!
家を査定する方法を流れにそって紹介!
家の売却依頼が来た時に、僕がやっている方法を紹介していきます。
※筆者は不動産営業マンですが、不動産会社によって査定方法は手順は異なりますのであくまで一例としての参考にしてください※
地図・謄本・公図・測量図を取得する(商品の特定)
まずは最初に行っているのは、売買の対象物件の特定です。
地図や謄本、測量図、公図を取得します。
目的は売買物件の確認です。商品の特定と言っても良いでしょう。売り物を特定していきます。
どこにあって、どれぐらいの大きさで、どういう形をしているのかを確認します。
また用途地域(住居地域や工業地域など)建ぺい率、容積率、防火地域など、建築上の条件となる情報も確認していきます。
測量図がない場合は、売却する時に土地の測量が必要になる可能性が高いので、測量代は経費としてかかってくるなど、状況を把握していきます。
当たり前のことですが、間違って隣を売買していたなんてことになったら・・・ぞっとする事態です。
個人の方は、あえて謄本を取得する必要はないですね。
売却希望の土地や建物の資料で、もともとご自宅にあるものをそろえておけば十分です。
用途地域などは難しいので「査定に影響する要素ではある。」ということをおさえておけば良いでしょう。この条件が大きく査定に影響する場合は、査定の依頼をした業者が説明してくれるはずですのでそれを聞くのが得策ですね。
現地を実際に見る(商品の確認・調査)
現地には、思っている以上の情報が溢れています。
日当たり、住環境、隣地との境界・・・・
中古マンションや中古一戸建てとしての売却の場合は、劣化具合の確認など。
目で見ると分かる情報は多いので、必ず現地を見るようにします。
居住中で中の様子が分からない場合は、ある程度推測で最初は査定することはよくあります。
その場合は、築年数からリフォームの有無を判断することが多いです。
劣化具合の査定となると、リフォームするならいくらかかるか?という観点で判断して、減額要素として考慮します。
とはいえ、リフォーム価格は分かりにくいものです。
そもそもリフォームした方が良いのか?という点も分かりにくいと思いますので、この時の視点は、「自分が中古住宅でこの状態で買うならリフォームせずに使うか?」という目線で考えると分かりやすいと思います。
路線価・近隣の販売事例や売買事例を調べる(価格調査)
路線価図を取得したり、近隣の売買事例を調査します。
路線価図は、国税庁のHPから誰でも無料で取得できます。
道路ごとに1㎡あたりの評価額が記載されていますので、どの道路に面している土地なのかで資産価値を表しています。
販売事例は、現在販売中の物件の価格帯や、実際に成約している価格帯を調べていきます。
現在販売中の物件の販売価格の注意点としては、相場から極端に高い金額で売りに出されていることもあるということ。
不動産の売却は、極端に言うと、いくらで販売しても良いので、圧倒的に高い金額で出ていることもあります。
「本当に売る気があるのか?!」とツッコミたくなる価格を見かけることもありますが、売れたらラッキーと思って売りに出しているといういケースも。
なので、「販売価格=相場」と思わないように注意することも必要です。
そこで重要視する金額は、実際に成約した金額です。実際に取引された価格を参考に査定していきます。
実際に成約した価格は、レインズマーケットインフォメーションで調べることができます。
レインズと聞くと不動産業者だけが使えるサービスとして名が通っていますが、レインズマーケットインフォメーションは誰でも無料で事例検索ができますので、おすすめです。
販売中の価格に関しては、スーモやホームズのポータルサイトで調べると良いでしょう。
マンションの場合は同じマンションの過去の事例をくまなく見る(相場の確認)
特にマンションの場合は、同じ建物の部屋の売買事例を調べて、価格の推移を調査します。
2019年現在は、都心部を中心に郊外にかけてもマンションの相場は高くなっていますので、買った時よりも高くなっている物件も少なくありません。
これは駅チカのマンションやタワマンは顕著に上がっている傾向がありますが、マンション毎に上がっているのか変わらないのか下がっているのかは異なりますので、そのマンションでの売買事例は特に参考にしています。
修繕履歴や現時点での不具合をきく(瑕疵の調査)
過去の修繕履歴や現地点での故障や雨漏りなどの不具合は査定金額に多いに影響します。
そのため、なんらかの欠陥や不安点などがないかを入念に確認しておきます。
売却するのに不利になる条件だからとオーナー様にとっては言いたくない気持ちも分からなくはないですが、あとから発覚すると揉める原因になりますので、すべて包み隠さず伝えることが重要ですね。
最近では、営業しながらメリットばかり伝えていくよりも、デメリットの方をアピールしておいた方が売れる気がしています。
デメリットを開示して不安要素をなくていくことが安心に繋がるポイントと言えそうです。
とは言え、デメリットは対策できることなのかできない場合は査定金額にどれぐらいマイナス要因になるのかを検討していきます。
総合的に判断して査定金額を決める(まとめ)
最後にこれまで調査していきた情報から金額を決定していきます。
金額の決定方法としては、売買事例をもとに、坪単価でいくらぐらい取引されているのか、築年数によってそれがどれぐらいの減額になるのか、修繕記録や故障の状況などを加味してくらぐらい減額になるのか?
というに差し引きして決めていきます。
また、プラスの要因ももちろん加えて考えます。道路が広いとか日当りが良いとか駅が近いとか、人気の学区であるとかもそうですね。
この金額決定においては、経験値や勘によるところもありますので、不動産会社の考え方や担当者によって違いが出るところでもあります。またその土地に精通している地場の不動産会社が詳しいということも言えます。
「複数の会社に査定を依頼した方が良いですよ。」と言うのはこの為です。
複数の業者に査定依頼をするなら一括査定サイトの利用がおすすめ!
複数の業者に査定依頼をする時に、便利なのが一括査定のサービスです。
個人的に思う一括査定のメリットは、以下の3つが主なポイントだと思っています。
・住所入力などが一度で住むので簡単
・一括査定サイトは、信用のない業者は登録不可
・相見積もりは当たり前なので断りやすい
一括査定サイトの運営業者は通常、審査をして不動産業者を登録していますので、一括査定サイトから選べる業者であれば、信頼できるということが言えます。
つまり、どこの不動産会社に査定依頼をしてよいか分からないという点において、一括査定サイトの中から選択すれば良いという絞り込みができます。
そして、複数の企業に査定をすると申し訳ないんじゃないか?とか、断るのが申し訳ない。というような律儀な方は得にメリットになるのが、一括査定である以上、「他社にお願いすることにしました。」という言葉が自然と使えることになります。
不動産会社も一括査定サイトに登録している以上、「相見積もりにはOKですよ。」という意思表示をしていることと同義ですので、その点は遠慮する必要はないでしょう。
おすすめの一括査定サイトはこちら!
最後におすすめの一括査定サイトを2つ紹介しておきます。
一つ目は、タウンライフ不動産売買です。
こちらは、地場の不動産会社も登録していう一括査定サイト。
もともと、不動産の仕事をしていた方がタウンライフのサービスを作り運営していますので、売却検討している方のニーズと不動産会社のニーズをよく把握したきめ細かいサービスが展開されています。
その上、査定依頼をすると不動産売却パーフェクトガイドが無料でもらえますので、勉強にもなります。
もう一つおすすめなのが、住まいバリューです。
すまいValueは大手不動産会社6社で運営されている一括査定サイトです。
大手のみで運営されている為、安心感はもちろんのこと、情報量や取引件数も多い為、信頼感のある査定が期待できます。
また、大手は、売却する場合の独自のサービス(保証や、ハウスクリーニングサービスなど・・・)を設けていることも多いので、サービスの比較をするという観点からも一括査定をしてみると良いと言えます。
独自の売り方を提案しているのも大手の特徴です。
なので、おすすめの一括査定の利用としては、地場ならでは情報を持っている不動産が選べるタウンライフ不動産売買の方から2~3社、大手のすまいValueから2~3社程度の一括査定をする。
そして、各社からの査定の仕方や平均値を検討してみると、査定金額としては外れることは少ないでしょう。その中で納得のいく業者と媒介契約を結んで売却をすすめるといのがおすすめの方法です。
関連:媒介契約の一般・専任・専属専任の違い!おすすめはどれ?
より詳しく、タウンライフ不動産売買とすまいValueについて知りたい方は下記コンテンツをご参照ください。
まとめ
以上をまとめますと、
①まず自力でなんとなく相場がいくらぐらいなのかを把握する。
②複数の企業に査定を依頼する。
という点について紹介してきました。
①の査定方法をまとめると、近隣の販売状況と成約価格、坪単価を予想してみる。路線価も参考にするとより精度はあがりやすい。
②自分自身での査定の予想をもとに、複数の査定業者の提案を吟味すると、不動産業者の見極めもしやすい。
不動産の売却は慣れていないから、難しいように感じますけど、一つ一つ調べて問い合わせてみると案外難しくないものです。
もしも家の売却を検討しているのであれば、査定に費用はかかりませんので、まずは査定してみてはいかがでしょうか。
金額によって、売る売らないの結論がすぐに出ることもよくありすよ。
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