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借地権付一戸建のメリット・デメリット【新築分譲住宅購入編】

借地権、メリット、デメリット

借地権、メリット、デメリット

一戸建てを買おうと思って、物件情報を探しているとパッと目につくのが「借地権付一戸建て」。

なぜ目につくかと言うと、所有権の一戸建てに比べてぐっと安いから。

「安いなら、良いよね~!」というほど簡単な話しではなく、安いなら安いなりの理由は当然あります。

そして、借地という字のごとく「借りる」ということは、総額が全て建物の値段と考えてしまう誤解も。

借地権も、メリットもあれば・デメリットもあります。それをしっかりと理解した上で、借地権付き戸建ての選択肢も検討すると物件選びの幅は広がります。

ちなみに、借地権も、地主なのか、投資用なのか住宅用なのかなど、立場によって考え方が変わってきますので、ここでは住まいとしての一戸建てを買う場合を前提に考えていきます。

そもそも借地権付一戸建って何?

そもそも借地権って言葉も聞き慣れない言葉ではないでしょうか。

借りるというイメージはあるものの具体的にどうい意味かと言うといまいち分からないということもありますよね。

借地権付一戸建てという言葉を分解すると、「一戸建てに借地権がついていますよ。」と読めます。

そう、借地権がついているだけで、一戸建ては所有権の場合と変わらないです。

建物の所有権は購入者のものとなります。その点は、所有権の一戸建てを買う場合と同じです。

では、借地権って何なのかを見ていきます。

借地権、底地権、所有権

所有権は、土地が自分のものになりますので理解は出来ます。

所有権を分解すると、借地権と底地権になります。

底地権!?

また聞きなれない言葉かと思いますが、地主さんが持っている土地の権利割合ととらえると分かりやすいです。

この割合は、ある程度の目安があります。

路線価図、借地権割合

これは路線価図ですが、道路によって価格の目安が発表されています。誰でもインターネットで見れる図面です。

上のところに借地権割合が記載されており、この図面で言うと、枠で囲った部分、420Dとあります。

Dは何かと言うと、上部の割合で確認すると、借地権割合が60%で、底地権の割合は40%ということです。

借地権割合60%

金額を入れるとイメージしやすいですね。

例えば、所有権だと100万円の土地が、借地権だと60万円で売買されます。

借地権付き一戸建てを買って、数年後に、地主さんが「底地も買ってくれないか?」と打診があったとします。すると、底地権の価格の40万円で底地権が売買されます。

結果、借地権+底地権がそろったので、所有権の土地を持つことになります。

ポイントは、底地を買う場合に、所有権価格の土地の売買とはならないということです。

つまり借地権というのは、土地と同じように売買される権利です。

説明上分かりやすくするために、借地権割合での計算としていますが、実際のところは上記計算式を目安として双方の同意がなされる金額での売買になることが多いです。

借地権のメリット

借地権付一戸建を購入するメリットを順にあげていきます。

購入時の費用が安くすむ。

購入時の総額が押さえられるメリットがあります。

総額が押さえられる結果生じるメリットを具体的にあげると、

・所有権だと予算が届かない方でも借地権だと手が届くことがある。

・所有権と同じ予算の場合、建物のグレードが良い。

・総額が下がる為、広めの土地での建売住宅が販売されることがある。

という点があげられます。

諸費用等も安くすむ

・土地の固定資産税がかからない。

・登記費用が安くすむ。(土地の移転登記が不要な為。)

ということが言えそうです。

旧法借地権の場合、戸建てを持っている人が強い

借地権の種類にもよるのですが、旧法借地権の場合、建物を所有している方が保護されているという点もメリットであると言えます。

よくある質問で、「土地を借りている以上返してと言われたら返さないといけないの?」という質問があります。

これに対する回答は、「地主に正当な理由がない場合は返す必要はありません。」正当な理由とは、例えば地代が未納である場合などです。

普通に住んでいる限り、返す必要もないですし、例え地主が、更新や建替を承諾しない場合でも、借地非訟手続きによる裁判で、許可がとれます。(この場合も承諾料は必要です。)

つまり追い出される心配はないということもメリットと言えます。

借地権のデメリット

続いて借地権のデメリットをあげていきます。

地代がかかる

賃料という形で、月々の地代がかかります。支払い方法は、地主によって異なりますが、毎月払いだったり、毎月が手間という場合は年払いだったりすることもあります。

建替、売却の場合に地主の承諾が必要

建物を建て替える場合や、借地権付一戸建ての中古として売却する場合に地主の承諾が必要になります。

この時に承諾料という名目で費用が発生します。ちなみに費用の相場は更地価格の3%~5%とされています。

更新料がかかる

借地権は地主と賃貸借契約書を取り交わすことになるのですが、その契約によって期間があります。一般的に売り出されている借地権の場合、旧法借地権の場合が多いのですが、20年間とされることが多いです。

その期間が満了時には、更新を行うことになり、その時に更新料が発生します。またこの費用の相場も更地価格の3%~5%程度と言われています。

住宅ローンに制限がある

住宅ローンを組む時に、借地はNGとしている金融機関もありますのでその点は注意が必要です。

最近では、借地NGも減ってきていますので、そこまで支障を感じることはないですが、住宅ローンを組む時に、抵当権を設定するのにあたって、地主の承諾書の提出が必要です。この承諾書がもらえるかどうかが大きなポイントになります。

もしももらえない場合、基本的にローンが組めないことになりますので、購入時に確認しておいた方が良いですね。もちろん、ローン組めないとそもそも買えない・・・という話しがほとんどだとは思いますが、それゆえに、売却する場合に大きなポイントになってきますので。

地主によることが多い

個人的には、借地権のデメリットはここに尽きるのではないかと思うのですが、地主という第三者が存在することで、自分だけの思い通りにいかない場合があるということです。

借地権付一戸建て購入後の20年ぐらいは問題ないと思いますが、更新時以降の取り決めに対して双方で合意出来ない場合があるということです。

合意出来ないことというのは、更新料だったり承諾料の金額の折り合いがつかないということです。

そして20年もの時間が経つと相続が発生していることも考えられる為、相続人によっても、対応が変わってくるという点も懸念材料ではあります。

また、この取り決めの一つ一つに明確なルールがあるわけではなく、あくまで慣例的な目安はあるものの結論としては地主との交渉によるという点が難しいなと思います。

つまり借地権の良し悪しは地主によるところが大きいという点がデメリットであると思います。

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借地権付き一戸建てを買った方の声

借地権、購入者、声

メリット・デメリットを比べてみると、購入時は安く手に入る借地権付一戸建てですが、長期的に見ると発生してくる費用もそれなりに大きいのが借地権付一戸建てとも言えそうです。

では、実際に借地権付一戸建てを買った方の声を紹介していきます。

マンションに住むと思えば

マンションか戸建てか迷っていたけど、マンションだと管理費や修繕費、駐車場代がかかってくるので、それを思えば地代は気にならない。

その分広い土地の一戸建てを買えたので車2台止めることもできた。

単純に車2台分の駐車場代だけみても、地代の方が全然安くて良かった。

将来的に貸せたり売れたりするなら

転勤の多い仕事なので、あまり土地建物に大きな金額を使いたくはないが、借地権だと割安感があったので。もしも転勤になった時に、貸すことが出来たり、売却することも出来るなら良いな~と思った。

賃貸に住んでてももったいないし

借地権も借りるという意味で賃貸と一緒なのかなぁと思っていたけど、借地権について学んでみると、借地権も資産になるということがわかった。

だったら、賃貸に住んでいるよりも資産として子供に残せるなら買っておいた方が良いなと。賃貸だと自分でリフォームするのもままならないけど、借地権付一戸建なら持ち家なので好きにDIYできるのも嬉しい。

借地権付一戸建てだからこそ買えた

所有権で住宅ローン申請したけど、予算が届かず買えなかった・・・・。

借地権付一戸建の予算だと満額の住宅ローンで買えた!所有権も借地権も住んでみるとまったく変わらないので嬉しい!

所有権と借地権のどちらが良い?

所有権と借地権のどちらが良いか?

これは各々の考え方や事情によるのでなんとも言えないところではありますが、個人的に思うのは、借地権も含めて探した方が良いと言うこと。

一戸建てって当然、立地や日当たり価格、間取り、一棟一棟全て違うもので同じものはありません。

その中で、「立地や間取り陽当たり等、全て家族の条件どおりののものだった。唯一悩む理由が借地権という点。」ということであれば、自分だったら買うと言えます。

僕の場合ではありますが、重要視すべきは、土地の権利よりも、土地の場所や建物の内容と考えているので、もしも借地権という理由で、選択肢から外してしまうのはもったいないと思っています。

もちろん、家に対する考え方は家族ごとに異なりますので、借地権が良いとか悪いとか決めつけるものではありませんが、一つの知識としてお役に立てれば幸いです。

 

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