新築の値引きと言っても、一戸建てかマンションかの違い。
新築一戸建てだとしても、建売住宅の値引きかそれとも注文住宅の値引きかによっても異なります。
こちらでは、実際に注文住宅で新築した方10名の実体験(実際の見積もりと値引きできた金額、また値引きにいたったストーリー)をもとに、
営業マンの立場から本音で注文住宅の値引きのコツを紹介していきます。
今まさに、注文住宅の値引きの交渉の段階に来ている方はもちろん、これから注文住宅での新築を考えている方も参考にしていただければ幸いです。
ちなみに、新築の建売住宅の値引きに関しては、
にまとめてありますので、建売住宅での新築を検討している方はそちらをご覧ください!
注文住宅の値引きはありか?
そもそも「注文住宅で値引きを依頼するのはありなのか?」という点について、注文住宅の営業マンの立場から本音で考えて行きたいと思います。
注文住宅での値引きは、結論から言うと「あり」です。
いくらぐらいの値引きが可能なのかというと、総額によるところが大きいので一概に100万円大丈夫とか200万円までなら!という話しではないのが実情です。
解体工事から始まって、地盤改良工事、本体工事、付帯設備工事・・・など総額で利益がどれぐらい出ているかを見て、それに応じて利益を削る形で値引きとなります。
利益が十分でている時は、「値引かないと申し訳ないなぁ」と思うこともありますが、営業マンの立場から積極的に「値引きますよ!」とは言えないものです。
そんなことを言えば、「値引く為に見積もりにのせてます!」と言うようにも聞こえかねませんので。
ちなみに、解体工事から全部依頼してもらえると利益が出やすいのですが、逆にお施主様からすると解体工事の相見積もりを取ると金額をおさえられる可能性があります。
分離発注(解体工事と新築の請負工事を別に依頼する)という形になり、お施主様の手間は増えますが安くなる可能性は高いです。詳細は下記コンテンツにまとめてありますのでよろしければご参照ください。
家の取り壊し費用を安くしたい!解体工事の相見積もりはできるのか?
積極的には値引きませんが、言われたら値引くというケースは往々にしてあります。
値引ける金額の範囲は、せいぜい総額の見積もりの2~3%ぐらいがやっと言うイメージです。
なので、3000万円なら、60万円~90万円程度です。ちなみに、僕が仕事しているのは工務店ですので、大手ハウスメーカーではありません。
一般的に、大手ハウスメーカーよりも工務店の方が値引きに関してはシビアと言われています。
実際にハウスメーカーと相見積もりになっている時に、引き合いに出されて、○○というハウスメーカーは決算月だから今月契約してくれたら300万円安くすると言っているけどそれぐらい安くなる・・?
という具合です。「いや・・・できません。」としか言えないという事態になります。
新築一戸建てを注文住宅で建てた10名の方の実体験を紹介!
注文住宅で家を建てて実際に値引きをされた方10名にアンケートをとって、値引きとなったストーリーを教えてもらいました。
値引きの金額と総額の見積もりは影響してきますので、見積もり金額も併せて聞いています。
便宜上、工務店とハウスメーカーに分けて紹介していますが、その定義は、ハウスメーカーは全国展開していること、工務店は県内では有名のビルダーであっても、全国展開していないところは工務店と振り分けています。
値引き額:太陽光パネル3kwをサービス
どこのハウスメーカーでお家をたてようかな~と2、3社は見て回っていたと思います。特にこれをサービスします!というハウスメーカーはなくて、本当にどこにしようか決めかねていました。
最後に何となくでお話を聞きに行ったハウスメーカーさんは、すごく丁寧に対応してくださり気持ちよかったです。そして、うちで決めてくれるなら太陽光パネルはこれだけおつけしますよ!と言ってくださいました。太陽光パネルはつけようか迷っていたので、サービスしますよという話は嬉しかったです。
値引き額:80万円
他のハウスメーカーと迷っていて、そのハウスメーカーを断ったら、値引きするから、家を建ててほしいと言われて、80万円値引きしてもらえると言われました。
そんなに値引きしてもらえるなら、そのハウスメーカーさんに決めようと思い、契約しました。80万円値引きは、本当に大きい値引きだったから、一度断ってよかったなーと思いました。
値引きをしてほしい場合は、一度断ってみるのもよいかもしれません。私は、値引きを引き出すつもりはありませんでしたが、値引きしてもらえて得しました。
値引き額:800万円
相見積もりを、ハウスメーカーのMと他のハウスメーカーに全く同じ設計図とオプション数点、他は各々の会社のスタンダード品で積算してもらいました。差がほとんど無い金額でした。
その見積もりが提出されたあと、詳細を見比べ、数日後、同日の違う時間に双方の担当者にもう一度自宅に来てもらい、見積内容の詳細な説明と、他のサービスやこれ以上の値引きは見込めないかということを念入りに相談・打ち合わせした結果、Mは営業所所長も伴い、800万円の値引きをその場で決定してくれました。
その後、来訪したもう一方のメーカーはこれ以上は無理であるということで、この商談から退くことになりました。
値引き額:サーキュレーターと総額をサービス。トータルで100万円程
最初の担当者が約束を守らないし、期限を守らないし、あまりにもどうしようもない人なので担当者を変えるようにお願いしました。結局支店長が私達の担当をしてくれることになったのですが、その際に申し訳ないというお詫びの印に値引きをしてくれました。
また入居前に1週間ほどマイホームの建設を検討しているお客さん向けの見学を建設会社からお願いされました。家の中を触らせないことを条件に引き受けたところ、更に値引きをしてくれました。
値引き額:200万円とキッチンのオプション品 備付の食器棚
建設予定地が狭小地だった為、3階建を希望しました。工務店のSには3階建のプランが無かったので、通常の見積もりでは3階建を取り扱っているハウスメーカーより高くなります。
そこで他社で検討すると相談したところ、見積もりを通常のプランにプラス3階部分ではなく、木材などの部材から細かく再見積もりしていただき当初の通常プラン見積もりより、200万ほど安くして頂きました。また通常オプション品となる備え付けの食器棚も細かく見積もりする事で、オプション扱いにならずサービスのような形で付けて頂く事ができました。
値引き額:太陽光の設置費、キッチンシンク回りのグレードUP、コンセント増設、イベントに招待、契約時に家電製品
契約前で3社、見積もりをもらって悩んでいることを伝えました。希望としてはほかの2社よりこちらのメーカーが好みで決定したかったが、他のメーカーがローコストが1社、若干値段設定が低いメーカーが1社であったので、見積もりが高くて決めきれなかった。
決めたいのに決められないという話をして、額面の金額を他社より落としてくれれば即決できると伝えたところ、時間がほしいとのことで担当者の上長に確認を取っていただいて、値引きが決定しました。
そこまで大きな額ではなかったが、それが決定打となり契約しようと思いました。
値引き額:200万円弱
主に3つ値引き背景がありました。
1つは兄弟の紹介による値引きです。2つ目が最後まで迷っていた他社見積もりを提示して値引き(値引き+メーカーの金額妥当性の説明として使用される)です。3つ目が完成見学会を開く条件としての値引きです。
大きかったのは1つ目で、兄弟は支社が異なる場所で建築していましたが、そちらの営業担当者と連携をとり、比較的優遇してもらえました。
また3つ目については、最終見積もりの段階で、もう少し何とか値引けるところがないか?を伺った際に提示してくれた値引きですが、実際には見学会は行われず値引きのみという結果になりました。
値引き額:15万、オプションのグレードUP、キッチンの収納一式プレゼント、カーテンや照明など取付工賃無料
私達は予算かけたくなかったので最初から値引きしてもらうつもりで行きました。担当さんが店長さんだったので、割りとスムーズに話は進んだと思います。
子どもが増えるので広い家に引っ越したい、あまり贅沢は言いません、ただ広いリビング、広い子ども部屋が欲しいという私達の話を聞いてくださり、出産祝いという訳ではないがサービスしましょう!と言って頂きました。
当時、5人目を妊娠中だったので、BKD(貧乏子沢山)をネタに交渉させてもらいました。
値引き額:200万、ニッチを複数箇所無料対応
最初は友人の紹介でモデルハウスの見学に行きました。友人の紹介ということもあり、大変細かくお話していただきました。2回目の訪問で、理想の家をお話ししたところ、一級建築士さんに図面を作成していただきました。
その図面を他の建築会社に持っていき比較していただいたところ、500万円安くしてくれるといわれたので、図面を書いていただいたメーカーに直接交渉したところ、値引きの話が始まりました。私はたまたま無料で図面を書いていたので、他の会社さんと比較ができて大変良かったです。
値引き額:約200万円
我が家は土地探しから始まりました。予算を5,000万円と決めており、その金額以上になった場合は契約しないとハウスメーカーに伝えていました。予算に合わせて上物の設計見積もりをして貰って、予算内で大凡の目安がついたので、後は予算に見合った土地を探すのみという状態になりました。
ある日、目星をつけていた土地よりも良い立地条件の土地を見つけてしまい、これでは予算オーバーになってしまうので地元工務店と契約しようと思うと伝えると、外構や太陽光など諸々の諸費用をサービスしてくれました。
上記で取り上げているハウスメーカーは、
「ヘーベルハウス」「積水ハウス」「タマホーム」「住友不動産」「三井ホーム」「アイフルホーム」「桧家住宅」ですので、
大手ハウスメーカーは基本的に割引に対応していると言っても良いのかもしれません。
注文住宅の値引きのコツは値引きをする理由を掲示すること!
具体的なストーリーを見ていると、営業マンの立場から見てもなかなか勉強になることも多いです。
どこもギリギリのせめぎ合いをしているんだなぁと共感が湧きます。
最後に、実体験を通してみていくと、注文住宅の値引きの決定的なコツが見えてきます。
そのコツとは・・・
値引きをする理由を用意してあげる!
ということです。
値引きの理由は、実体験を見てわかるように様々な内容があります。整理すると、以下のとおり。
・相見積もり
・紹介
・担当者の失態
・ハウスメーカー都合(内覧会等)
値引きをする理由がなぜ大事かと言うと、ハウスメーカーの担当者は、「値引く理由をもとに、上司を説得して値引きの決済をもらわなければならない。」という事情があります。
営業マンの本音として、「お客様が割り引いてって言うので、値引きして良いですか?」と上司には言えません。
値引きの決済をもらう為に、値引く理由が欲しいという本音があるわけです。
では、「一番説得しやすい材料は何か?」というと、「値引いたら自社に決めてくれる!」ということに尽きます。
上司からしても、「それで契約になるなら良いよ!」という答えを出しやすいというのもあります。仮に値引いて利益が減ったとしても、契約取れなければ利益0ですからね。
その時に、値引きの根拠があればなおよしで、その根拠となるのは他社との比較と言えます。
「他社がいくらで迷っているんだけど・・・本当は御社で決めたい。でも値段が・・・」というフレーズは、体験談を見てもわかるように鉄板と言えるかもしれないですね。
値引きの方法で「相見積もり」は鉄板!
体験談を通してわかることは、値引きの交渉は契約の直前のタイミングです。
最後の最後の押しの一手でハウスメーカーや工務店と交渉する流れがスムーズです。その時の材料は、相見積もりの結果です。
最後が良い理由は次のとおり。
営業マンの立場からすると、小出しに値引きをちらつかせられると、次第に値引きしたくなくなってきます。もしくは最初から値引きありきで話をしていると、見積もりに値引き分を上乗せしてあり、そもそもの見積もりが高くなってしまうこともないとは言えません。
なので、値引きのおすすめのタイミングは、事例にもあったように「最初に予算を掲示しておいて、最後に他社と迷っている旨を伝えた上で、サービス品なども含めて押しの一手をもらう。」もしくは、「最後の最後に相見積もりと比較しつつ交渉する。」
のどちらか。
それ以外では値引き云々はあまり触れない方が得策です。
イメージとしては、契約の決断の背中を押してもらう為に「値引き」を使うという感じです。
では、相見積もりはどこで取るのが良いかと言うと、タウンライフ家づくりがおすすめです。
単純な、一括見積もりサービスではなくて、見積もりはもちろん、間取りまでオリジナルの提案書を自宅にいながら取り寄せることができます。
さらに「成功する家づくり7つの法則」という家づくりのマニュアルももらえますので勉強になります。
また、事例にもあったように、土地から探して総予算があるような場合にも対応してくれるのでおすすめです。
もちろん、間取りも見積もりも資料もすべて無料でもらえますので相見積もりを取得してみてはいかがでしょうか?
思っていたよりも良い間取りなどの提案をしてくるハウスメーカーが見つかるかもしれません。
また対応の良し悪しの判断もできますので、値引きだけではなくて、より良い家づくりの為にもタウンライフの活用はおすすめです。
より詳しく、タウンライフ家づくりを知りたいという方は、
に記載していますので併せてご参照ください。
以上、注文住宅の値引きをする方法を実体験を通して紹介してきました。
値引きも含めて、楽しい新築計画になることを願っています!