土地の探し方講座の第5回目となりました。
今回は、土地の売買における不動産会社の探し方についてお話していきます。
不動産会社は数多くある中で、どの不動産会社に依頼して良いか?と言っても正直分からない。評判を知りたいと思うところですが、実は評判よりも大事にすべきポイントはたくさんあります。
もちろん評判の質によっては、すごく大事な評判もあります。
今回は不動産会社を見分ける際に注意したいことをご紹介していきますので、大きな買物である不動産売買の参考にしていただければ幸いです。
不動産会社に依頼するときにおさえるべき2つのポイント
前回までの講座で複数の不動産会社に依頼しておくことが大事とお話してきました。
複数と言っても、どの不動産会社に依頼するか?について押さえておきたいポイントは2つです。
①不動産会社の種類を知る。
②不動産会社の見分け方を知る。
の2つのポイントを押さえておくことで、依頼すべき先が見えてきます。
ポイント① 不動産会社の種類を知る
不動産会社の種類を考えてみますと4つに分類できます。
1.純粋に仲介業をだけをしている不動産会社
2.建売もしている不動産会社
3.建築会社の子会社としての不動産会社
4.地場の不動産会社
上から順に説明していきますと、
1.純粋に仲介業だけをしている不動産会社
文字通り仲介をメインとしてやっていますので、売却物件を業者の建売や個人からの売却依頼も含めて広く集めて販売していきます。
特に大手は広告費と知名度が圧倒的ですのでかなり物件情報を持っているケースが多いです。
2.建売もしている不動産会社
中規模の不動産会社に多く、建売もしつつ、仲介業もしているというケースが考えられます。この場合、土地を仕入れて建てて売るという建売住宅はもちろんのこと、条件付売地も含め販売されることもあり、この場合、売主から直接買うことになりますので、仲介手数料なしで買えるケースもあります。
ちなみに、仲介手数料の仕組みを、土地の売買を例に簡単に説明しておきますと、
A:土地を持っていて売りたい個人・法人
B:土地を買いたい個人・法人
C:仲介業者
の三者が居て、Aの土地のCの紹介でBが買った場合に、CはAとBを仲介した手数料として報酬が発生します。
この場合、AとBはCに仲介手数料を支払います。
建売もしている不動産会社が売主Aだった場合、AにBが相談に行って買うとすると、Cは存在しないので、仲介手数料は不要ということになります。
3.建築会社の子会社としての不動産会社
Aという建築会社の子会社としてCという不動産会社があったとします。
よくあるのが、Aで土地を仕入れて建売住宅をつくります。その建売をCがBというお客様に販売します。
すると仲介手数料の仕組み上、AはC(子会社)に仲介手数料を支払います。BもCに仲介手数料を支払います。
Aは自社で販売せずに、Cに販売を任せるので、販売にかかる経費は仲介手数料のみとなります。しかもそれは自分の子会社の利益です。
このような仕組みができていますので、建築会社の子会社としての不動産会社は、積極的に親会社の物件を売ろうとます。
なので、親会社が仕入れた土地情報や建売情報は比較的早い段階でつかめるケースもあります。
4.地場の不動産会社
まさに地元の不動産会社です。家族で経営している場合も多いです。店舗も小さく一見すると大手に比べて力がなさそうな気配さえありますが、地場で長年やっている不動産会社は、その土地の状況と人をよく知っていますので、意外と情報が多かったりします。
というのも大手のデベロッパーと呼ばれる企業は、地場の不動産会社をまわって土地情報を集めています。
なので、希望のエリアがあるのであれば、地場の不動産会社は相談に行った方が良いと思います。地元の大地主さんとつながっているケースも多いですので、地主が売りたいという話が、まずその不動産会社に入るケースがあります。
また、賃貸の管理物件が多いのも特長で、駐車場やアパートなどの看板を見ると管理○○不動産と出ていますので、よく見る名前の不動産会社があれば、その地主さんと○○不動産は懇意にしている証拠ですので、その地主さんが売るとなったら、その不動産会社にも相談すると思われます。
ポイント2 不動産会社の見分け方
不動産会社の見分け方ですが、まずチェックしたいのが、社歴です。
長年やっているところは、突然潰れる心配は少ないだろうというある種の信頼が生まれます。その際に、パット見で何年ぐらいやっているか分かるように不動産業の免許番号に更新回数が載っています。
例えば、「東京都知事(2)第○○○○○号」というような記載になっているのが免許番号です。
この(2)の番号が更新回数です。
宅建業法改正(平成 8 年 4 月施行)までは、3年に一回の更新でしたが、それ以降5年に一回の更新となっています。
なので、番号が2だったら少なくとも5年以上は経営しているというのは分かりますし、3だったら10年以上はやっているというのは、パッと見でも分かるようになっています。
ただし、注意したいのはあくまで目安として見る程度にすべきという点。
というのも、免許には、都道府県知事免許と国土交通大臣免許の2種類があります。
簡単に違いを言うとその都道府県のみに事務所を設けて営業する場合は、都道府県知事免許、その都道府県以外にも広げて営業する場合は国土交通大臣免許が必要となります。
この時に、都道府県知事免許でたとえ更新数が10とかでも、国土交通大臣免許に切り替えると、1からの再スタートになります。
この二つの免許の行き来に、番号の継続はできないというわけです。なので番号が1であっても社歴は長いという不動産会社もありえるわけです。
また、全く不動産と関係ない会社が、不動産会社を買収した場合、その不動産免許の番号を引き継げます。なので不動産経験は全くの初めてであっても、更新番号5の会社を買った場合、5からのスタートとなりますので一概には言えないというわけです。
なのであくまで目安ではありますが、更新番号を把握しておいて損はないと思います。
若い番号であれば、どんな社歴かを調べるというのも大事ですね。
もう一つの大事な見分け方が、フィーリングです。
来店してみて感じる感覚。担当の営業マンに感じる感覚。店舗の雰囲気に感じる感覚。
売っている建物を見て感じる感覚。
こればっかりは相性もありますし、好みもあります。そして意外とここが大事なのではないかなと思ったします。
というのも、不動産に限らず家電であってもレストランであっても良い営業のもとで支払う金額は、わりと嬉しかったりします。チップという文化があればきっとチップを弾みます。
不動産と言えど、人と人との間で行われる売買ですので、そのあたりの感性は大事にして損はないのではないかと私は思います。
不動産会社の評判の種類
不動産会社の評判にも種類がありますので、参考までに紹介しておきます。
評判にも二通りあり、一つはネット上で見かける評判。
もう一つが地元から伝わってくる評判。リアルな口コミですね。
この二つは似て非なるものだと思います。ネット上での評判は大抵良いことは書いてないケースが多いです。これを鵜呑みにするのもおかしいなと思いますし、企業が大きくなればなるほど、書き込みが多いケースが一般的です。
もっともな意見が書いてあるケースもありますので参考にするのは良いですが、参考までにとどめておく方が良いと思います。
もう一つは地場から伝わってくるリアルな声ですね。
これも誰から聞くかにもよりますが、地元からあまり良い評判を聞かない会社は避けた方が良いと思いますし、逆に良い評判を聞く会社であれば、誠実な会社であるケースが多いと思います。
個人的には、評判はあくまで参考にとどめておき、最終的に肝心なのは、その不動産会社とコンタクトをとった時の自分の中の好き嫌いの感情だと思います。
特に、新築の営業マンの選択は、結婚相手の選択の次に重要な選択という言葉を聞いたこともあります。
それほど大きなお金で購入するものですし、一生そこに住む可能性も高いです。
それほど重要な選択である以上、しっかりと見極めていきたいところですね。
以上、不動産の売買における押さえておきたい二つのポイントについてご紹介してきました。
少しでも参考になることがあれば、幸いです。
過去の講座は
第四回:土地探しのコツ!不動産屋への依頼の仕方で変わります!
となります。
よろしければ併せてご覧ください。