不動産テック?!
「何だそれ?!」・・・「不動産テックとは?」と調べてみた。
というスタートラインにも到達していないのが、街場の不動産屋の大半ではないだろうか?実際に周りを見ているとそんな感じではないでしょうか。
AIやIOTと言う言葉は目にするなぁ・・・という程度。
とは言え、不動産テックの秘めている可能性には、ときめきを覚えます。
最近のニュースでも、ブロックチェーンを活用した、不動産取引直後の登記サービス。特許を既に、株式会社ZWEISPACE JAPANが取得してるという話がありました。
技術もさることならが、着眼点も凄いと思う。
確かに、不動産売買前後で、登記が手続き中で取得できないということは頻繁にあります。それを改善させるのも不動産テックの一つの側面。
ここでは、2018年4月現在の不動産テックとリアルな現場の現状について肌身で感じていることを綴ってみたいと思います。
不動産テックとは?
そもそも「不動産テックって何?」という点。
不動産×テクノロジー=Real Estate×Technology
この言葉の掛け合わせで、不動産テックと呼ばれている。もしくはretechとも。
金融業界で言うところのフィンテック。
金融とテクノロジーをかけ合わせて、Finance×Technology=Fintechと言う言葉の不動産バージョンですね。
NTTデータによると
不動産テックとは、用地取得・開発、分譲・賃貸、資金調達(投資、融資)、取引(集客・相談・媒介・内覧・交渉・重説・契約・引渡・登記・アフター)などの不動産関連の各シーンに対して、インターネット・スマートフォン、ビッグデータ・IoT、AI(ディープラーニング含む)、SNS、位置情報、AR/VRなどのテクノロジーによって、大きな効率化や新たな価値を生み出すビジネスやサービスのことである。
出典:https://www.keieiken.co.jp/monthly/2017/0601/index.html
とあります。
不動産業界の細部に至るまで、不動産テックが浸透する余地はありそうです。
その中の登記の部分に着目したのが、先程のブロックチェーンでの登記の話しですね。
日常業務において、不動産テックという言葉は、正直なところ全く聞こえてきません。
不動産業へのテクノロジーが入り込むのは遅れていると言われる所以だと思います。それほど浸透していません。
せいぜい、物件情報で、360°カメラで撮影したものを物件情報にのせる。
というのは馴染みも出てきたかと言う程度。
街場の不動産屋さんは、高齢化が進んでいることもあり、なかなか不動産テックにはついていけない現状もあります。
後継者がいなく、自分の代で終わりと考える場合は、なおさら不動産テックの導入をする気がないというケースも少なくない現状です。
不動産テックの種類
不動産テックは、2018年からさまざまなシーンで登場してきているのを感じます。
例えば、AIを搭載した分譲マンションが発売開始されました。
関連:AI(CASPER)搭載の分譲マンションが日本で早くも販売開始!価格はいくら?
そして、先程のブロックチェーンの登記の話。
また、不動産オーナーが活用できるサービスとして、
売主が自分で情報を売却したい物件の情報を公開して、買主と直接問合せ対応ができるサイトのおうちダイレクト。
遊休地などを駐車場への活用を気軽にできるシェアリングエコノミーのスマートパーキング。
賃貸においては、
などなど。
調べだすと、実は切りがないぐらい登場してきています。
また、不動産テックを導入している企業は、新しい企業が多く、代表も若い世代であることがほとんど。
不動産業界というと、不動産バブルを生き抜いてきた手練れのイメージが強かったのも、過去の話。
これからは、不動産テックが進むと不動産業界、そのもののイメージもガラッと変わりそうですね。
賃貸×不動産テックの未来
賃貸住宅においては、昨年より、IT重説が開始されました。
また、併せるようにオンライン内見も増えてきています。
関連:ホームズのCMのオンライン内見って実際はどんなやり方なのか?
自宅にいながらスマホで内見が出来るオンライン内見とIT重説を掛け合わせると実際には現地に行くことなく契約が出来ます。
そうは言っても実際に内見したいと言う場合は、現状は不動産屋さんへ訪ねて案内してもらうしか方法がないのかと思います。
それを不動産テックを取り入れることでどんな可能性が考えられるのか?
例えば、物件検索においては、既存のポータルサイトからの検索、もしくはAIを活用したボットを通して希望の不動産を紹介してもらう。
また、各物件の重要事項説明の特記事項に街頭するような特に懸念される材料があれば、ボットを通して事前に情報公開。
それがOKであれば、実際に内見希望を出す。
いざ内見の時に、人を介在しないで出来るとすれば、いわゆる「現地対応」。
現地対応とは、業者間の隠語?で現地にてキーボックスに暗証番号を入れて鍵を出して案内する方法のことです。
キーボックスの番号を伝えて、鍵をいつでも使える状況にする背景には、業者で看板しょって案内しているので信頼があるという前提。
何かを壊したり鍵をなくしたりした場合は、その業者へ請求が出来るからという信頼がある点。
が上げられると思います。
ですが、実際は、マナーの悪い業者によっては、最初に番号聞いてその後はかってに案内していたり、中には戸締まりもちゃんと出来ていなかったり、室内が汚れてしまていたり・・・
と問題がある場合もあります。
であるならば、一般のユーザーにキーボックスの番号を教えても問題は本来ないはず。むしろ、じっくりと自分のペースで生活をイメージしながら内見できるというメリットも。
心配なのは、鍵の管理や傷や汚れなどへの懸念。
ここで、不動産テックを導入すると、そもそも内見の際に個人情報の登録を必須としておけば、身元が分かります。また賃貸物件には、IOT技術を搭載した、カメラやセンサーを導入しておけば、入室履歴や中での様子の管理も出来ます。
であれば、下手な業者にキーボックスの番号を伝えるよりもよっぽど安全ではないかと思うわけです。
そして、内見して契約する時は、IT重説を活用。
そうすると、不動産業者の人と面談をすることもなく、賃貸物件を実際に見た上で契約も可能となります。
技術的には、このような流れは既に確立できていることだと思います。
物件情報もクラウドを利用してオーナーが自ら入れて、鍵も自分でセットする。そうなると、不動産の営業の仕事は重要事項説明を読むだけということに。
そもそも、考えてみれば、不動産以外のもの、例えば家電は電気屋さんで買う事もできるし、営業を通さずに通販で買えるのは当たり前。
保険も保険の営業を通して申し込むことも、オンライン上で申し込むことも出来ます。
旅行もしかり。
なんなら、住宅ローンもオンラインで申込が可能です。
なぜか、不動産の契約だけは、人を通さない内見はありえない状況になっている事自体が、そもそも不思議なのかもしれないですね。
不動産の重要事項説明が法律的に対面とされているが考えてみると不思議な気もします。不動産は高額だからというのも分かりますが、それであれば住宅ローンも証券取引も対面である必要があるような気も。。。
いまは、「同意します。」にチェックすればOKという現状なのに、不動産は対面。
この法律が変わったら、不動産業界は抜本的に変わりそうですね。そうなると宅地建物取引士の立ち位置がいまいち分からなくもなりますが・・・
不動産テック。
今後ますます目が離せません!