住宅を購入すると諸費用として、そっと入ってくる火災保険。
住宅の購入資金というと、まず本体に目がいき、住宅ローンに目がいき、登記費用に目がいき、その他の費用としてそっと登場する火災保険。
必ず入るものなのに、そんなにスポットは当たらないわけですが、実はまとまったお金を使う部分。
しかも割引制度も用意されているのですが、知らないことも多々あるのでは?
営業マンの中でもはっきりと区別のついていない方も意外と多い?かもしれないのでここに整理しておきます。
火災保険と地震保険の違いを整理する。
まず火災保険と地震保険の違いを整理したいと思います。
火災保険がカバーしている内容は、火事はもちろん、水災、雪災、盗難、破損など多くの内容を保証しています。
ただし、地震による被害は別途地震保険に入る必要があります。
また火災保険契約の期間は以前は35年も可能でしたが、現在は、最長で10年間となっています。
関連:火災保険10年はいつから改正?35年との保険料価格差はいくら?
地震保険は、火災保険にセットして入る保険となりますので、地震保険単独で加入するということが出来ない商品となっています。
逆に、火災保険のみ入っておき、地震保険には入らないというのは可能となります。
期間においても、火災保険は最長10年であるのに対して、地震保険は最長5年となります。
この期間を過ぎると更新するという流れになります。
また、地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の1/2までとなります。
例えば、火災保険で保険金を2000万円で申し込むと、地震保険では半分の1000万円が上限ということになります。
火災保険の割引制度~M構造・T構造・H構造とは?~
火災保険の割引制度には、構造による割引制度があります。
この構造による違いは、火災保険を安くするために構造を選ぶというよりも、どの地域で何を建てるかという条件で必然的に構造体は決まってきます。
ではそれぞれの構造の区分を見ていきます。
M構造(マンション構造):コンクリート造の共同住宅、耐火建築物の共同住宅
となります。
保険料は最も安い区分に入るのですが、アパートやマンションといった共同住宅での区分になりますので、一般の住宅はここの構造にはあてはまりません。
T構造(耐火構造):コンクリート造(共同住宅を除く)、鉄骨造、耐火建築物(共同住宅を除く)、準耐火建築物、省令準耐火建物
都心での新築の一戸建てだと多くの場合はT構造になるのかと思います。
というのも都心では、防火地域や準防火地域など、建築基準法で火災を防ぐための基準が定められており、火に強い建物の建築が義務付けられています。その結果、T構造がほとんどとなっています。
木密地域の火災は震災において懸念されていますので、火に強い建物の建築を促されているというわけです。
関連:木密地域に潜むリスクとは?東京都の説明動画が怖すぎる。
ちなみに、料金的にはT構造が真ん中となります。
H構造:M構造、T構造以外。
H構造はそのほかの建築ということです。
防火性能の評価が出来ないもの全般ということになります。
ここで注意したいのは、中古住宅の場合このH構造の可能性があります。
築年数がそれなりに立っていると、省令準耐火構造にも当てはまらないケースが多くなります。
また、建物の構造自体を証明する書類がないというケースも多いです。
最近流行している中古戸建を買ってリノベーションするという時に火災保険がH構造となり思いのほか高くついたということも。。。
中古市場の活性化は、国も目指すところですが、売り手買い手の知識の向上がより求められてくるところですね。
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以上、火災保険の構造による違いを見てきました。
次回は、地震保険の割引制度についてみていきたいと思います。