地下神殿と呼ばれる、首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)をご存知でしょうか?
写真を見ると「あ~みたことある!」というもの。
なかなかの壮大な設備が首都圏の地下にあるということでなんだかわくわくするのは私だけではないはず。
実は、地下神殿は、映画やドラマの撮影でもよく使われており、ロケハン的には有名なスポット。
それが、2018年8月より一般での見学も可能になりました。
これまで見れなかった秘匿性の高そうなスポットが見れるということでワクワクは募ります。
とは言え、地下神殿「首都圏外郭放水路」が見られるようになった背景に、インフラツーリズムと呼ばれる国家のプロジェクトがあります。
具体的には国交省が主導する「社会資本の整備・利活用を通じた観光振興」の動きによるもの。
普段インフラをまじまじと見る機会は、そう多くはないと思いますがあらためて見ると魅力的です。
ここでは、インフラツーリズムの魅力について考察していきます。
地下神殿「首都圏外郭放水路」のツアーと魅力
出典:国交省公式HP
写真を見ると見たことあるという方も多いのではないでしょうか?
地下神殿と呼ばれる、首都圏外郭放水路の写真です。
写真からは、感覚的には分からないですが、相当な大きさの空間であることは分かります。
実際にここに建ってみるとその多さに圧巻されそうですね。
ツアーの内容は、予約制で施設案内のガイドさんがついての内覧会になります。
所要時間は50分程度。
子連れでというのは、未就学の場合考え難いかとも思いますが、やはりNGです。
親同伴であっても、小学生になっていないと入れません。中学生までは親同伴であれば参加可能です。
小学生の夏休みの自由研究のテーマには、もってこいじゃないですかね。
おそらく夏休みの社会科見学の意味合いもあって、オープンは8月1日だったのではないかと思われます。
申込みは公式サイトから行えます→国交省公式HP
インフラツーリズムの魅力を考察
出典:国交省公式HP
インフラツーリズムの魅力は何かと考えた時に、まっさきに思い浮かぶのはスケールの大きさ。
首都圏外郭放水路の地下神殿と呼ばれるゆえんとなる存在感からも分かるとおり、圧巻のスケールです。
インフラツーリズムというと、他には、ダムや首都高など高速のジャンクション、橋など魅力的な構造物はあります。
インフラの魅力に触れて、橋の設計士になりたいと夢を持つ人も居るのも事実。ドラマの登場人物で言うと、「フリーター、家を買う。」で香里奈さんが演じた千葉真奈美という役は、自分の設計で橋をつくりたいという夢を持つ女性でした。
このような夢を持つのは一部の人の特殊な例かと思っていましたが、インフラツーリズムという観点から見ると、もっと一般的にも魅力を感じるものだと思います。
ツーリズムと言うように、観光地となるべき場所ですよね。
出典:国交省公式HP
実はインフラツーリズムの公式HPが国交省のホームページで展開されています。
写真はここから出典しています。
この公式HPでは、インフラツーリズムとしての観光地となる場所が、全国から検索できるようになっています。
出典:国交省公式HP
インフラにときめく気持ちは、考古学や恐竜にときめく気持ちと若干似ていると僕は思っているのですが、理由は「壮大さ」かもしれません。
写真で見ても迫力があるけれど、そこで体感できる大きさと、それを作った人の歴史や技術にも感動します。
インフラツーリズムと呼ばれるように、インフラを観光地化するという発送はある意味新しい発想で、観光地として十分魅力的あふれるものですよね。
富山のトロッコ電車に乗って紅葉を楽しんだことがありますが、紅葉のみならず、黒部ダムの歴史に魅了されたのは言うまでもありません。
その後、映画「黒部の太陽」を見て感動しました。
やはりインフラにはドラマが潜んでいます。
そう思うと、インフラツーリズムはもともとあった観光地とも言えます。
ですが、インフラツーリズムとして観光スポットとして紹介することで、あらたな魅力を発見できます。
インフラツーリズムは国交省主導ではありますが、民間の旅行会社も共同して推進していますので、新たな観光地として取り入れると楽しみは広がりますね。
建築ツーリズムとインフラツーリズム
インフラツーリズムと並んで、建築ツーリズムというものもあります。
それは、著名な建築家の作品をはじめ、有名な建築物を旅行で見ようというもの。
分かりやすく言うと、スカイツリーも建築ツーリズムの一貫と言えそうですね。
またル・コルビュジエの作品として、東京上野にある国立西洋美術館が世界遺産に登録されました。
その結果、美術館としての利用のみならず、建築ツーリズムとしての利用も増えていると言われています。
事実、上野公園はいつ言っても人が多いですね。(パンダの影響も大きいとは思いますが・・・)
関連:建築ツーリズムとは?
とは言え、建築ツーリズムに加えて、インフラツーリズムも取り入れると国内の観光資源としての建築物が俄然増えることになります。
災害も多くインフラの補修等が見直されている今だからこそ、インフラへの関心の強化という意味でもインフラツーリズムが広く浸透することは素敵なことだと個人的には思っています。
先に上げた、ドラマの中の橋の設計を夢見る女性のように、将来の夢として、インフラの設計を目指す方が増えるのであれば、未来につながる素晴らしいことだと思います。