新築を注文住宅で建てる時に、打ち合わせる内容は当然間取りだけではありません。
間取りが決まった後に、「仕様決め」を行っていきます。
仕様決めとは、キッチン、床材、壁紙、お風呂などの内装材や外壁やポスト、インターホンなどの外装材の種類や色などを決めていくことを言います。
仕様決めにかかる時間は人それぞれですが、家のイメージや雰囲気を決めることになりますので、間取りと同様に、家造りの多くの重要なポイントを占めていると言えます。
ここでは、よくある失敗事例とそこから学ぶ注意点と仕様決めのコツを紹介します。
後悔しない家づくりの為に参考にしていただければ幸いです。
仕様決めで決める内容一覧!
仕様決めは、設計事務所や工務店毎によって違う書式にはなりますが、通常一覧表があってそれに沿って、各項目を決めていくことになります。
ここでは一戸建てにおける仕様決めで、決める項目をずらっと並べていきます。
外部仕様
屋根材
外壁材
コーキング
雨樋
破風・軒天・外部天井
水切り
笠木
玄関ドア
窓・シャッター
物干し
玄関土間・タイル
照明器具
インターホン
ポスト
テレビアンテナの有無
外部水栓
住設機器
床暖房
給湯器
創エネ設備(エネファーム・太陽光発電)
ユニットバス
キッチン
カップボード
洗面化粧台
トイレ
内部仕様
玄関ポーチ
玄関框
階段床材
階段手すり
下駄箱
窓枠
巾木
笠木
建具
アクセサリー(タオルかけ・紙巻器等)
床材
壁材
天井材
バルコニーの防水
これらの内容を一つ一つ決めていくことになります。
実はこれらの項目一つひとつにおいてもメーカーによる違いがあります。
なので厳密にフルオーダーをするとすると、水切りをどのメーカーのものでとか、巾木は○○のメーカーでとか、実に細かいところまで決めることが出来ます。
そうは言っても、全部選びきるのは至難の技ですので、そこは建設会社のプロが良し悪しを選別しています。
それがいわゆる「標準仕様」と呼ばれるものになります。
仕様決めにおいて、特にこだわりのないところは標準仕様の中から、形や色などを選んでいくことになります。
その上で、特にこだわりたいところは、「オプション」と言って、グレードアップさせていく流れになります。
仕様決めの注意点
仕様決めの注意点を紹介していきます。
仕様決めの時では、間に合わない可能性のあるもの
太陽光発電や床暖房、狭小地でのエネファームの設置などは、間取り設計の時点で決めておく必要があります。
というのも、間取りによって屋根の形状は変わってきますし、エネファームは外部に置く機械がそれなりに大きいので、置く場所をもともと設計しておいた方が無難です。
エコキュートなどの貯水ユニットがあるものも同様ですね。
また床暖房の有無によっても、選ぶ床材は異なってきますし、それによって厚さや高さも異なってきますので、間取り設計の段階で有無を決めておいた方が無難です。
決める量が多いことを覚悟しておく
「決めることが多すぎて疲れてしまう。」
というのはよくあることです。
そして決める量を知らずにその都度決めていくと、後で何を選んだか忘れてしまうということも。
前もって、決めることが多いと覚悟して、全体像をイメージしておくことが大事ですね。
ショールームに行く
ハウスメーカーや工務店などの施工店が標準としている設備は、各メーカーの展示場で確認することが出来ます。
たいていの場合、リクシルやTOTO などのメーカーの担当が、各施工店毎の標準仕様は把握しているはずです。
なので、施工店から予約をしてメーカーのショールームに行くと、標準仕様をもとに案内してもらえます。
ここで注意点としては、オプションの要る要らないをしっかりと把握して必要以上にオプションを取り入れないようにすることが大事です。
ショールームに行かれると予算オーバーして帰ってくるということが往々にしてあります。
一度見積もりに入れてしまうと標準に戻した時にスペックが落ちた気分になってしまうことがありますので、グレードアップする際には「本当に必要なのか?」「本当にやりたいことなのか?」を見極めたいですね。
よくある失敗例から学ぶ仕様決めのコツ
仕様決めの時によくある失敗例をご紹介していきます。
また、これらの失敗から学ぶ仕様決めのコツも紹介していきます。
細部にこだわりすぎてしまう
よくある失敗は、一つ一つのものにこだわりすぎて、一つひとつのアイテムを見ると非常にカッコイイのですが、完成して中に入ってみたら・・・統一感がなくてごちゃごちゃしてる・・・。
というケース。
仕様決めをする時に、各項目に関して、順番に一つひとつ決めていくだけになってしまうとこういう失敗に陥ることがあります。
全部お任せにしてしまう
仕様決めの項目が多すぎて、完全に思考停止になってしまった結果、基本的におまかせするというケース。
その場合は、いわゆる標準でまるっとまとまりますので、当たり障りのない仕上がりになってきます。
言ってみれば建売住宅と同様に標準仕様での完成というわけですね。
失敗とは言い過ぎかもしれないですが、せっかくの注文住宅ですので、好みを反映させたいなぁと思うところではあります。
仕様決めの時期で季節に色になってしまう
これも失敗とは言わないですが、夏に仕様決めをすると、涼しげな色合いになりがちで、冬に仕様ぎめをすると暖色系の色あいになりがちです。
まぁ悪くないんですけど、冬に仕様決めをやって完成するのは夏。
完成のお披露目を見に行ったら、なんか暑苦しい・・・・
なんてことにならないように、季節によって選んでいないかということにも注意をしたいところではあります。
「涼しげな色で良いですねっ!」なんて言葉が出てきたら要注意です!
失敗しない為の仕様決めのコツ
仕様決めを失敗しない為のコツを知る為に、これらの失敗例に共通する要因を考えてみます。
それは、「全体のイメージが漠然としているという点です。」
仕様決めをする時は、コーディネーターがつくことが多いです。
そのコーディネーターのオススメのもと進んでいくので、ある程度コーディネーターの腕によるところもあります。
ありますが、コーディネーターも提案するにあたってお客様の要望と取り入れていくので、要望がはっきりしている方が提案しやすいです。
同じコーディネーターが担当した新築戸建てでも、お客様のセンスによって全然違う出来栄えになります。
センスと言うと難しいですが、全体としての好みのイメージを雑誌やホームページ、SNSなどで見てストックしておくことが大事です。
そして、仕様決めの時に、その写真や画像、雑誌などを見せながら、「こういう雰囲気にしたい。」という要望を伝えると、コーディネーターも提案しやすいですし、全体としての調和を図ってくれます。
そして、好みの雰囲気というのは、ある程度、流行に左右された中での方向性やジャンルがあるものです。
その結果、こんなイメージが良いなぁと、コーディネーターに資料を見せると、ポイントなるコーディネートのツボが分かります。
その中で、一つひとつのものを選んでいくときに、「全体として考えるとこちらの方がおすすめですよ~。」という提案に繋がります。
なので、仕様決めをする前に、もしくは家づくりをはじめる前に様々な雑誌や資料やカタログを見ておくとより良い家づくりが出来るようになります。
関連:新築の準備はいつからが良い?注文住宅でよくある後悔は「もっと早く調べておけば・・・」
準備に対する考え方は上記コンテンツにも記載してますのでよろしければ併せてご参照ください。
以上、仕様決めを失敗しない為に、新築の注文住宅における仕様決めについて紹介してきました。
家づくりの一助になれば嬉しく思います!