夫婦で住宅ローンを組むことを考えたらしっかりと検討しておきたいのが、団体信用生命保険だと思います。
住宅ローンの金利や手数料保証料も検討項目にはなってきますが、団信の取扱についても押さえておきたいところです。
また、知る人ぞ知る団信かとも思いますが、連生団体信用生命保険という団信があります。どんな場合にメリットがあるのか、連生団信についても確認していきます。
ちなみに、夫婦で、住宅ローンを組む場合は、3つの借り方があります。収入合算して1本の契約となる、連帯保証型と連帯債務型。
またそれぞれがローンを組むペアローンという住宅ローンの組み方の合計3種類です。
この内容の詳細については、下記コンテンツに詳しく記載しておりますので、違いが分からない場合はご覧いただけるとより、団信の考え方が分かりやすいかと思います。
参考:夫婦共に住宅ローン控除を適用できる2つの借り方とできない借り方の違い。
参考:連帯保証人と物上保証人と連帯債務者の違いを分かりやすく図解してみる。
それぞれの場合における、団信の状況をまとめてみました。
夫婦で住宅ローンを組む場合のチェックしておきたい4つのポイント!
夫婦で住宅ローンを組む場合にチェックしておきたい項目が4つあります。
・債務者になるか保証人になるか?
・団信の保険対象になるのは誰か?
・住宅ローン控除の対象になるのは誰か?
・持ち分の割合はどうなるのか?(土地と建物の権利割合のこと。)
の4つのポイントを把握しておきます。
夫婦で住宅ローンを借りる場合の3種類をベースに4つのポイントをチェックしていきます。
収入合算で連帯保証人型の場合
収入合算で夫が借りて、妻が保証人となる場合を例に見ていきます。
夫 | 妻 | |
債務者OR保証人 | 債務者 | 保証人 |
団信の対象 | 対象 | 不可 |
住宅ローン控除 | 対象 | 不可 |
持ち分割合 | 100% | 0% |
収入合算の保証人型は、基本的に単独で組む場合と変わりません。
唯一違うのは、連帯保証人に妻が入るというだけです。
どんな場合に連帯保証人型の住宅ローンがおすすめか?
上記条件から見ると、収入合算の連帯保証人のタイプだと基本的なローンは、旦那が組んで妻は、ローンにはタッチしない希望を前提としているが、旦那単独では住宅ローンの金額が足りないというケースにおすすめの方法となります。
もちろん共働きであることは大前提ですが。
収入合算で連帯債務型となる場合
同じく収入合算ではありますが、夫も妻も債務者になる場合を見ていきます。
連帯債務となる場合には、どちらが主たる債務者となるかを決める必要があります。例として夫が主たる債務者とすると、以下のとおりになります。
夫 | 妻 | |
債務者OR保証人 | 主たる債務者 | 債務者 |
団信の対象 | 対象 | 不可(連生団信は可) |
住宅ローン控除 | 対象 | 対象 |
持ち分割合 | 自由 | 自由 |
二人とも債務者なのですが、団信は主たる債務者のみが対象となる点に注意が必要です。
持ち分割合は、自由に決められますが、持ち分の割合に応じて住宅ローン控除の割合が決まりますので、共働きをいつまで続けるのか、また年収の割合なども考慮して決めると良いでしょう。
連帯債務型はどんな場合に選択するのか?
連帯債務型の住宅ローンは、出産や子育てを考えても仕事をやめずに共働きを続ける場合に、共に住宅ローン控除が使えますのでおすすめです。
おもに連帯債務型の住宅ローンになる場合は、フラット35がメインです。
また、フラット35では、デュエットと呼ばれる、連生団体信用生命保険が選択できますので、夫婦共に団信をつけたい場合への対応も可能です。
ペアローンの場合
ペアローンは、住宅ローンの契約が2本立てで夫婦それぞれが住宅ローンを借りる形態となります。
夫 | 妻 | |
債務者OR保証人 | 債務者 | 債務者 |
団信の対象 | 対象 | 対象 |
住宅ローン控除 | 対象 | 対象 |
持ち分割合 | ローン金額に応じる | ローン金額に応じる |
この場合は、住宅ローンを単独でそれぞれが借りると考えて相違ないです。
ただし持ち分の割合は、連帯債務型は自由に決めれますが、ペアローンの場合は、それぞれが出した金額によります。
住宅ローンと現金も含めて夫が7割。妻が3割だとすると、持ち分割合は7:3というように決まります。
また住宅ローン控除の額もそれぞれのローンの金額によります。
ペアローンを選択するのはどういうケース?
ペアローンは、共働きで共に住宅ローン控除を受けたい場合に選択できる方法ですので、長期的に共働きを検討している場合には良いでしょう。
ただし、注意点は、団信の範囲です。
団信はそれぞれに万が一があった場合にそれぞれの分のみ、残債がなくなります。つまり、夫に万が一のことがあれば、夫の分の住宅ローンが0円になり、妻に万が一のことが合った場合は、妻の分の住宅ローンが0円になるという仕組みです。
この場合も、連生団体信用生命保険は適用できますので、夫婦どちらかに万が一のことがあったら、二人ともの住宅ローンが0円になるという保険です。手厚い保険になりますので、その分金利は上乗せになりますが保険をつけることは出来ます。
例えば、夫婦でペアローンで借りたけど、専業主婦になった。そして、夫に不幸があり・・・夫の分の住宅ローンはなくなったが、妻の分の住宅ローンが残っていて負担が大きい。
というようなケースで連生団体信用生命保険に入っていれば、妻の方の住宅ローンもなくなるのは安心感が強いですよね。
連生団体信用生命保険とは?
連生団体信用生命保険とはなにかと言うと、上記にも記載したとおりに、夫婦どちらかに万が一のことがあった場合に、夫婦ともの住宅ローンが保険金で全額返済される保険です。
保険としてかなりの安心感を分かりやすく提供していれる商品ですが、取扱が少ないのは残念です。ちなみに、連生団体信用生命保険に加入するのには、金利上乗せの費用がかかります。
また、どこの銀行でも連生団信を扱っているかと言うと、残念ながら扱っている銀行は少ないようです。
有名なのは、フラット35のデュエットという商品名の連生団体信用生命保険です。
この場合は、連帯債務型の住宅ローンが一般的です。
また、三井住友銀行のクロスサポートという商品名の連生団体信用生命保険があります。三井住友銀行の場合、夫婦で合算して住宅ローンを組む場合、ペアローンの形をとることが多いです。
よって、その場合には、クロスサポートをつけるという選択肢が実はあります。現在は、+0.18%の金利の連生団体信用生命保険に加入できます。
この他には、労金にもありまして、夫婦連生団信という名前で運用されています。ちなみに、0.1%の金利上乗せで夫婦連生団信に加入することが出来ます。
万が一のことが合った場合に、住宅ローンの団信で賄うのか、それとも一般的な生命保険を検討するのかは、人それぞれだと思いますが、どんな違いがあるのかを把握しておくことで、より良い住宅ローンの選択が出来るのではないでしょうか。
住宅ローンの選択において参考になれば幸いです!