2017年夏。
思わぬ自然災害が東京都内では頻発しました。
まるで空から、氷バケツをひっくり返したような突然の雹(ひょう)。
ひょうが降った記憶は過去にあるものの、今年のひょうの規模は私の知る限りでは過去最大でした。
実際に雹が降っていた地域にいた方にとっては衝撃的な記憶として残っていますよね。
そして、その翌日から修理の依頼が相当数来ているのですが・・・。
2017年夏。ひょう害の実態をレポートしていきます。
雹(ひょう)による被害で最も多い修理箇所ベスト3。
ひょうによる修理依頼は、かなりの数きておりますが、修理の箇所はだいたい決まっています。
主に3つの箇所です。
一番多いのは、雨どいです。
雨どいにひょうが貫通したであろう、穴がポコポコ開いています。
穴が開くことは通常考え難いものがありますので、丸い穴が雨どいにあれば雹害と思ってよいでしょう。
次に多いのが屋根。
屋根は、ご自身でのチェックは難しいですが、素材がスレートの場合は修理が必要となるケースがあります。
アパートの通路などで波板を使っている場合も、穴が開いているケースが多いです。
いずれも、建物の劣化がある程度進んでいる状態に、ひょうが降った場合に穴が開いています。
なので、雨どいや波板、もしくは屋根を新しくして間もないという場合は、問題がないケースが多いようです。
3つ目が、ガラスと網戸。
ガラスに関しては、昔ながらの薄い一枚ガラスのものは割れているケースがあります。
ペアガラスに関しては、ほぼ割れていないです。
ペアガラスになっている時点で、それなりに新しいというのもあるとは思いますが。
また、網戸が傷ついているケースも多々あります。
光の当たり具合で見えたり見えなかったりしますが、斜めに明らかに降った後がついてひっかいたような跡がついています。
網戸に関しては、取り換えなくても網戸の機能は損なわれないことが多いので、修理するかは迷うところかもしれません。
ですが、他の内容に関しては、壊れていたら直す必要があります。
そこで調べるべきは火災保険です。
雹害は火災保険の対象になりますか?
火災保険と言うと、火災のみの保険と思っている方もいらっしゃっても不思議はないのかなとも思うのですが、
雹(ひょう)害も、火災保険の対象です。
ひょう害の場合、ポイントとなるのは二つの点です。
・ひょう害も対象としている契約かどうか?
・免責金額をいくらで設定しているか?
それぞれ見ていきましょう。
ひょうも補償対象としているかどうか?
火災保険は、商品にもよりますが、基本的には、保険の対象をオプションとしてつけたりつけなかったり出来ます。
本当に火災のみを保険対象として他のものを抜いているというケースもあります。
この場合、ひょうに対する補償を抜いてしまっている場合は、残念ながら対象外となります。
自費での工事となってしまうわけですね。
ちなみに、ひょうは、風災リスクとなっていて、
突風などの強風、ひょう、雪災に対する補償とセットになっています。
風災と聞くとピンとこないですが、ひょうや雪と言うとつけるべき補償な気がしていきます。
数年前も雪災による被害が多発した時がありましたね。
免責金額をいくらで設定している?
免責金額を10万円や20万円に設定している方も多いのではないでしょうか。
免責金額とは、自己負担とする金額を表します。
つまり、10万円、もしくは20万円以下の修理費用ならば保険の補償とはしませんよ。
ということです。
今回のひょう害のケースはここが大きなポイントとなっています。
この10万円もしくは20万円という金額は、雨どいを交換するだけであれば、超えない金額で、
免責となってしまうケースがあります。
ただし、2階や3階の雨どいの場合は、足場を組む必要が出てくる場合もあります。
足場を組んで雨どいの交換となると、免責金額があったとしても、免責金額を超えて補償対象となるケースが多いようです。
保険金の支払いと工事の流れ
では、実際に保険を使う場合の流れはどうなっているのかというと。
保険会社へ連絡→現調→見積提出→補償決定→保険金入金→工事
という流れのようです。
保険会社によってこのフローは異なることもあるかと思いますが、だいたいこの流れみたいです。
ひょう害での保険の場合、工事完了後の保険金の支払いではなくて、見積提出後の保険金の支払いとなっているようです。
保険金の支払いが完了報告後ではないんだ?
と少し違和感を感じたりもしますが、保険会社からすると金額的にも内容的にも予想はつくので、スムーズに完了させていきたいところなのかもしれませんね。
ちなみに、もしも雹が降った地域で、まだ修理をしていないという方がいれば、念のため、保険内容とお住まいをチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
チェックする時には、雨どい、屋根、ガラス、網戸の3カ所を指標とすると分かりやすいです。
もしも保険の対象となっていて、修理が出来るのであれば、それに越したことはないですよね。