滅失登記をする時の注意ポイントとして、
解体した建物に「抵当権が設定されているか?否か?」
という点があげられます。
抵当権は、ローンの担保になっているかどうかを記載しているものです。
この記事では、
建物に抵当権が設定されている場合の手続きについて紹介していきます。
ちなみに、建物の解体工事が終わったら滅失登記をするのですが、
・滅失登記がそもそも何なのか?
・必要書類は何なのか?
という内容につきましては、下記記事に記載しておりますのでご参照ください。
抵当権の設定がない場合は上記の内容でOKです!!
抵当権が設定されている場合は承諾が必要です!
抵当権とは、
「債務不履行の場合、担保について、他の債権者に優先して弁済を受けうる権利。」
とあります。
つまり、「ローンの返済が出来なくなった場合は、建物で払ってもらいますよ!」
というものですね。
余談ですが、
「優先して」というのは、抵当権も第一順位、第二順位と登記して
担保を受け取る順番を決めることができます。
そして、借地でない所有権の土地の場合は、通常土地と建物セットで抵当権が設定されています。
「お金を返済しなかったら、土地と建物で回収する。」
という約束事を、登記して記録しているということは、
「建物を勝手に壊すということは、その約束を無断で破ってしまっている」ことになりますよね。
そこで、金融機関など抵当権を設定している人の承諾が必要となるわけです。
滅失登記に承諾書の添付義務はありません!
承諾が必要とはありますが、書面を作成して提出する必要はないのです。
ちょっと違和感を感じるところですが、承諾書が要らない理由を考えてみると、
「滅失登記後の抵当権の消滅に関しては、関与しませんよ。
滅失登記をすると当然抵当権も消えるのは分かっているよね?」
ということでしょう。
仮に、「承諾なしに勝手に解体、滅失登記して問題になっても、法務局は関与しないよ。」
ということが考えられます。
そうは言っても、国内のもめごとを少しでも回避する為に、
「抵当権者(金融機関など)の承諾はとってますか?」と確認してくれます。
そもそも論として、解体前にすべきこと!?
抵当権の抹消登記(抵当権のみ消滅させる手続きのこと)は、ローンを完済した時点で登記しておくべき内容です。
ですが、していないこともそれなりにあります。
していないからと言って問題になることもなさそうなので、そのままとなっているケースも多いのでしょう。
なので、抵当権の抹消をせずに、解体する場合は、解体前に承諾をとっておいてくださいね!
ちなみに、解体するのではなく、売却する場合は、抹消登記は必須です。
完済していない時に解体する場合は?
まだローンが残って居るときは、必ず借りている金融機関に相談しましょう。
ローンの担保がなくなりますので、それ相応の問題になります。
お金を貸す条件として、建物の抵当権があるのに勝手に建物を壊したら条件に違反することになります。
実際に私も、建替えのお客様でこのケースに該当したことがありますが、
その時は、「基本的にはダメだけど、新築する建物に抵当権を新たに設定することを条件」に解体、滅失登記の承諾を得たという流れでした。
なので、当然と言えば当然ですが、建替えの住宅ローンの審査に際して、現在の残債も考慮してローンの事前審査もしておく必要がありました。
まとめ
滅失登記(解体工事)をする時に抵当権が残っている場合について説明してきました。
まとめると、
抵当権の残債(ローンの借り入れ額の残り)があるかどうかが一番大きなポイントになりますので、解体前にしっかり確認しておくことが大事です。
また、残債がないけど抵当権が残っている場合は、その抵当権を持っている金融機関の承諾をもらいましょう。
一度、整理して理解しておくと、滅失登記も恐れる心配はないですね!