建築家・桑野信介の名言「人間に寄り添う家」を考える~まだ結婚できない男

人間に寄り添う家 まだ結婚できない男

2019年の秋に復活した、ドラマ「まだ結婚できない男」13年の時を経て復活した面白いドラマ。

主人公は建築家の「桑野信介」。演じるは阿部寛さんですね。

建築家とあって、ちょいちょい建築的な話は出てきていますが、建築的な洞察も深いドラマとなっていて見応えがあります。

1話の中で、桑野信介がスピーチをするシーンがあるのですが、その中で語られていた話しがとても興味深かったです。

その中で、「人間に寄り添う家」というキーワードが出てきました。なかなか思うところが多かったので、人に寄り添う家とはどんな家なのか?考えていきたいと思います。

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桑野信介の「未来を考えるシンポジウム」でのスピーチ

まずは、ドラマ「まだ結婚できない男」でのスピーチのシーン。

住宅についての話の要旨をまとめると次のとおり。

・日本の住宅は結婚して子供ができる前提で作られている。

・人生100年時代において多様化する必要がある。

・結婚してもしなくても、最終的には一人になる

・一人でも快適に暮らせる家をつくりたい

・人生100年必ずセカンドステージが来る。

・人が家に合わせるなんてナンセンス。

・人間に寄り添った家を作っていきたいと、常々、常に、常に思っている。

「確かに!!」

と納得させられる内容です。

ライフステージの変化に伴って間取りも変えられる住宅は、実際に求められています。

マンションにおいても、間取りが変更できる間仕切りで構成されているのを売りにしているところもありますし、戸建てにおいても、スケルトンインフィルと言って、建物の構造体と室内の間仕切りや内装、設備を分離させて、リフォームで屋内をがらっと変える設計をしている形態も求められてきています。

お客様の動きとしても退職金と子供の住宅ローンを併せて二世帯住宅を建てる方。

子供は独立して出ていったので、広い家は必要なく、階段も大変なのでと、一軒家を売却して、マンションに移り住む人。

もしくは単身になっていると、売却して介護施設へ入居するという流れも多いです。

そう考えると、一次取得者層(はじめて家を買う層)が最も多いとされる30代、40代の子育て世代をターゲっトとした、3LDK、4LDKということのみで語られる家は、人生100年と考えたときにずっと続く家ではないと考えることが妥当です。

ドラマの中で、新婚さんに向かって、桑野信介が、「離婚した場合にも、一部を賃貸として利用できる設計をした。」と言うセリフがありましたが、言い方はアレとしても、利に叶っている設計だと言えます。

実際に、お客様で、娘も息子も独立して別に家を購入して暮らしており、ご主人に先だれて広い一戸建てに一人暮らしとなった70代の方がいらっしゃいました。

この方は、もともと2階にあがる階段に出る廊下を仕切ると、1階と2~3階が独立する間取りだったこともあり、1階に水回りとキッチンを設けて、上を貸して、1階だけの生活にしていました。

玄関だけは、勝手口からの出入りという形で若干不便はありそうでしたが、広い家は、掃除も大変だし階段も大変だし寂しいから・・と言っていたのが印象的です。

確かに桑野信介も、掃除が大変です。と言っていたなと。。。。

そう思うと、最終的に一人で快適な家をつくるという発想は重要な考えと言えます。

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人間に寄り添った一人でも快適な家とは?

人生100年時代と考えたときに、ライフステージに応じて変化をもたらせる家の設計は重要になってきます。

そして、「最終的に一人で暮らす家」というテーマに向き合うのはなかなか奥が深い。

現代のテーマかと思うところですが、実はフランスの建築家の巨匠ル・コルビュジエも最終的に行き着いた理想の家は、「一人暮らしですべてが手に届く小さな家」でした。

実際に、小さな小屋を設計して終の棲家としています。

ル・コルビュジエ 終の棲家
出典:wikipedia

ル・コルビュジエが生きたのは、1887年10月6日 – 1965年8月27日という時代。

現代における人生100年時代だからこその究極的に一人で暮らす為の家の設計が求められているわけではないと言えそうです。

そう考えると、やはり人間は最終的には一人になる生き物であり、だからこそ、人間に寄り添った家が求められるし追求したいというテーマは奥深いですね。

まとめ

ドラマの中で、桑野信介のセリフに「要は、自分が住みたい家をつくりたいのかもしれません。一人でも快適に暮らせる家を。」という台詞がありました。

自分が住みたい家というのは時代と共に変化します。その中でも変わらない人間の本質的な部分もあります。

個人的に、「家の間取りで家族の会話が変わり、家族の関係が変わる。」という哲学が好きです。

理由としては、リビングを通って各自の部屋にいくことで、自然と挨拶が生まれて会話が生まれるとするものです。

他には、日当りの良い家にすることで、日光を浴びる機会も増えて、セロトニンも増えることによって精神的にも明るくなりやすいという考え。

どれも真実ではないかもしれないですが、建築に携わるものとして、建築と人間の哲学を大事にしていきたいし、追求していきたいと思います。

僕が考える「人間によりそう家」は、家族の好みや形態、人生における考え方は一人ひとり違うものです。もちろん家に対する思い入れも違います。

その中で、その家族が家を建てる、家を買うという人生のワンシーンを楽しめるお手伝いをすることがだと考えています。そして、プロの目線として、ライフステージの時間軸をアドバイスする。そしてその解決策を提案する。

そうして、家を取得してからの日々において、日常が楽しくなる家。そんな家を提案することが、「人間に寄り添う家」じゃないかと考えています。

桑野信介のスピーチを聞いていて、そんなことを考えたのでコラムにしてみました。

まだ結婚できない男。ドラマ的にも建築的にも面白いのでおすすめです。

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