家は買わないほうが良いのか?
買った方が良いのか?
家という大きな買い物をしようと思った時によく議論されるポイントですね。
家を買うか買わないか?どちらがお得か?という議論における焦点は資産としての議論がほとんどです。特に「買わない方が良いのかな?」と検討している場合はお金の側面から検討している場合が多いように思います。
とは言え、家を買うか?買わないか?というのは実は感情的な側面が大きく影響してくると考えています。その感情面を抜きに議論するとぼやったとした回答のみになってしまうと個人的には考えています。
そこで、こちらでは、家を買うこと意味を紐解きながら、家を買う場合と家を買わない場合のメリット・デメリットを紹介していきます。
家を買うか?買わないか?の選択の参考にしていただければ幸いです!
家を買うことの本当の意味は?
「家を買う」ということが持っている意味には、色々な側面があります。
家には、「住む」という機能的な意味があるのはもちろんのこと、「資産」というお金の側面も持っています。
また「環境」という側面もありどこに住むのかによっても生活や教育、生き方も変わってくるものです。
環境に関しては、賃貸でも購入でも場所を選べば共通して得られることですので、ここでは深く触れませんが、家の持つ意味としては大きなものだと考えています。
そして、見落としがちなのが、「感情」という側面。
・子供の頃からの憧れ、夢
・ステータスとしての満足感
・友人が家を買ったので羨ましい・・・などの人間関係
・所有欲
などなど
これらの感情的な側面が持つ意味は、人によっては、お金としての「資産価値」が持つ意味よりも大きい場合も多く、この感情面が勝ると、資産価値で得か損かという議論はあまり意味をもたいと言っても良いと思っています。
なぜなら、私自身が、家を買うよりも買わない方がメリットは大きいと思っていましたが、感情的な理由で購入する選択をしましたので・・・
私の場合は、妻が持ち家を欲しがっており、また友人が購入しはじめたこともあり、より一層家を欲しい欲求が高まってきて・・・・そうなると人生における幸、不幸の違いがまるで家を持つか持たないかが全てのような勢いに・・・
「それであるなら家族の幸せの為の買い物。」それが私にとっての家を買う理由でした。
つまり私が購入した理由は、感情的な側面の家であって、資産価値として損得で家を買っていないということが言えます。
家を買った立場として、買わなかった方が良かったなということもありますので、家を買う場合のメリット・デメリット。買わないメリット・デメリットを紹介していきます。
家を買う選択と買わない選択のメリット・デメリット
資産としての側面からのメリット・デメリットを考えていきます。
資産としてのメリットを買う場合と買わない場合で比較してみると
資産価値としてのメリットとして、よく言われるのは家賃は消えるお金、持ち家は、残るお金。という観点。
住宅ローンの月々の支払い10万円。もしくは家賃の家賃が毎月10万円の場合を比較する、月々の支払うお金は当然一緒ですが、購入の場合は、住宅ローン返済終了後はローンの支払いはなくなります。家賃の場合はその後もずっと続きます。
仮に住宅ローン35年。その後は1年間あたり120万円のメリットが出るように見えます。
ですが、この議論においてあまり触れられていないのは、家賃や月々の住宅ローン以外の費用です。
賃貸の場合、家賃以外にかかってくるのは、2年毎の更新です。(契約にもよりますが、一般的には2年が多いです。)
それに引っ越せば、退去時のクリーニング費用、引っ越し費用、新たに借りるところの敷金・礼金などがかかってきます。
仮に同じ所にずっと住むとして、35年間住むと17回程度は、更新があることに。更新料は、月々の家賃の1ヶ月分が多いので、17ヶ月分は発生することに。
170万円の増額ですね。
では、購入した場合はどうなるかと言うと、毎年固定資産税がかかってきます。その他リフォーム費用がかかってきます。
リフォーム費用は、月々1.5万円程度を見ればある程度はまかなえます。固定資産税は場所にもよりますが、年間10万円として計算すると、月々のローンの支払いとは別に必要な費用は、35年間で、980万円程度が必要になります。
この分の費用って家の購入時にはあまり言及されない費用ですが、現実としてかかってくる費用ですね。
ここで家を買った場合と買わずに賃貸を借り続けた場合の35年間に必要な費用を比べてみます。
35年間の比較 | 買う場合 | 買わない場合 |
---|---|---|
月々の支払い | 10万円 | 10万円 |
更新代金 | – | 170万円 |
固定資産税 | 350万円 | – |
リフォーム費用 | 630万円 | 0万円 |
支払い総額 | 5180万円 | 4370万円 |
差額810万円賃貸の方が安くなってきます。
賃貸の場合は、リフォーム費用は大家負担なので、リフォーム費用がいらないというのは大きいですね。
では、住宅ローンの返済終わった後は、どうなるのか、その後の20年間をみてみます。
20年間の比較(36年目以降) | 買う場合 | 買わない場合 |
---|---|---|
月々の支払い | 0万円 | 10万円 |
更新代金 | – | 100万円 |
固定資産税 | 200万円 | – |
リフォーム費用 | 360万円 | 0万円 |
支払い総額 | 560万円 | 2500万円 |
この20年間は、家賃の負担が大きい為、賃貸の方が1940万円ほど高くなることが分かります。
最初からの55年間のトータルを計算すると、賃貸の方が、1130万円ほど高くなると言えます。
さらに資産価値として残る部分を考えてみると、築55年ともなると建物には価値はないですが、土地には価値があるため資産価値は残ります。
仮に土地を売却したとして2000万円程度で売却できるとします。(売却の査定額などは参考程度に入れていますのでご了承を。)
そうなると、家を買っていた方が、3130万円の価値がメリットとして出てくることになります。
築55年も経過すると建て替えるには十分なタイミングですので、建替えが発生します。
今度は土地はあることになるので、住宅ローンの負担も土地のみになります。そうなると、より一層メリットが出てくるということが言えそうです。
また、この他にも住宅ローン減税やすまい給付金など様々な補助制度が家の購入には使えますので、結果的には買った場合のメリットはもっと大きくなると言えそうです。
マンションの場合は、管理費がこれ以外にかかりますし、建替えの可否の問題や売却できる価格が異なってきますので、全く同じというわけではありませんが、売れるところであれば、同じ考え方で大きく違いはないかと思います。
買う場合に生じるデメリット
購入することで資産としてのメリットは大きそうということが分かりましたが、デメリットはあるのでしょうか?
持ち家は負債だからデメリットが大きいということも時折耳にします。
確かに住宅ローンの支払いが発生しますが、家賃も同じく支払いが発生します。
では何がデメリットなのかを考察してみると、機会損失だと個人的には考えています。
どういうことかと言うと、住宅ローンを組んでいるとアパートローンを組むハードルが上がります。
ローン審査に返済比率という指標があり、収入に対してどれぐらいの返済額まで可能かを計算します。
この時に既に、この返済枠を住宅ローンで使っているとあらたにローンを組むのが難しくなるということが言えます。
仮に、家を買ってなくて、アパートのみを買った場合は、家賃収入が入ります。
家賃収入も申告をしていくと収入になりますので、それだけローンを組める枠が広がります。そして家賃収入で、アパートローンの返済が終わると、アパートはまるまる資産として残ることになります。
ローン返済が残っていたとしても、家賃でまかなえると返済比率はまるまる残ると考えられるので、アパート購入後に自宅を買うことはできます。(もちろん審査にもよりますが。)
そう考えると、まず持ち家を買うことは、資産を増やす機会を失うというデメリットも含んでいると言えます。
もしも、不動産投資を考えているのであれば、家を買うことのデメリットは慎重に考えた方が良いかもしれません。
ちなみに、個人的に実体験として思っている「家を買ったことのデメリット」はまさに機会損失の部分で、アパートの購入に二の足を踏んでいることから先にアパート買うべきだったかなぁ・・・と思っていたりします。
家を買う場合の「住み心地」に関するのメリット
当たり前ですが、家は住むものです。
良い環境で住みたいという欲求もありますよね。
住心地という観点からも買った場合と買わない場合の違いは出てきます。
先程は同じ家賃で比較しましたが、都内の場合は、同じ金額の場合は買ったほうが広くて良い住宅環境であることが多いです。
例えば、家賃10万円ぐらいだと2LDKのマンションぐらいの多きの賃貸でも、住宅ローンで10万円の返済だとすると3LDKの家に住めるというように、住環境は同じ金額でも買った方が良くなると言えます。
また、リフォームや内装など、自分好みにアレンジできるのも購入するからできること。大家さんに気を使うことなく生活ができるというのも買う場合のメリットと言えます。
家を買う場合の「住み心地」に関するデメリット
家を買った場合のデメリットとしては、別のところに引っ越すということがなかなか大変になるということが言えます。
家を買わずに賃貸で生活している場合、気軽に引っ越せるという点もメリットといえるかもしれません。
とは言え、子供が学校に通っている場合は転校になったり、仕事の関係だったりと住まいだけの問題ではないとは思いますが。
気軽に住まいを変えて気分転換したいというニーズは少なからずあると思います。
まとめ~家は買わない方が良いのか?~
結論として、家は買わない方が良いのか?
私が考える答えは、「人によって異なる」ということが言えます。
資産価値を重んじる方は買った方が良いと思いますし、不動産投資を含めて資産を形成していこうという場合は買わない方が良いということも言えます。
そして、お金よりも住心地だったり、憧れだったり、色々なところに住みたいという欲求だったりと、住まいに対する価値観は人それぞれです。
家の面白い点は、つきつめて考えると「生き方」に繋がるということだと個人的には考えています。
どんな生き方をしたいのか、どんな生活をすることで幸せを感じられるか。
それは、一人ひとり違いますし、家族毎にも違うものです。
家を買うか買わないかどちらの方がメリットがあるのかを考えている場合、ぜひ生き方や自分の幸せについて考えて、家族とどんな生活がしたいのか話し合ってみてみることをおすすめします。
買う選択も買わない選択も自分自身が納得した上で出した答えなら、後悔することはきっとないと考えています。