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4号特例とは?なぜ廃止されないのか?メリット・デメリットを考察。

4号建築物、廃止

4号建築物、廃止

4号建築物や4号特例というのをご存知でしょうか?

一般的には、あまり知られていないことかもしれまんせんが、建築業界ではわりと一般的な事柄になっているかと思います。

この4号特例には、賛否両論があり、廃止される、廃止されないという議論が長きに渡っておこっていますが、いまだ廃止はされていません。

そのことからも、4号特例には、大きなメリットと大きなデメリットがあることが伺えます。

ここでは4号特例について、考察していきます。

4号建築物・4号特例とは?

4号特例とは、ざっくり言うと、

「2階建ての木造建築物は構造計算はしないで良いよ。」

と言うものです。

 

「え?構造に関して何も考えずに建てられるの?!」

 

という不安も出てきますが、さすがに何も考えないわけではなくて、「必要な壁の量は確保してね。」というルールはあります。

ありますが、「設計する時に建築士が自分でチェックしておいてね。」

 

となります。

このチェック内容は、壁量計算と言いますが、単純に家の中に壁がどれだけの量どこに配置されているかをチェックする程度です。

 

仮に木造3階建てを建てるとすると?

4号特例の特例具合を理解する為には、3階建ての木造住宅を建築する場合を例にとって考えてみます。

 

建築する場合には、役所や民間の検査機関に、どういう建物を建てるのか申請して承認をもらう(確認済証の発行)必要があります。

そのために構造に関して言うと、

構造計算(許容応力度計算)をして、構造計算書を提出してそれをチェックした上で確認済証が発行されます。

審査期間も1ヶ月程度の時間がかかります。

ちなみに、この構造計算書、許容応力度計算は、住宅の営業マンであっても理解できる人は少ないとは思います。(それほど複雑な計算です。)複雑だから良いというわけではないと思いますが、厳密に計算されています。

それに対して、木造2階建ての場合は、この許容応力度計算は必要ないので、構造計算書の提出は不要です。壁の量を数えて建築士がチェックすれば良いとされています。

つまり第三者機関のチェックは不要とされています。

審査期間も2週間程度で確認済証が発行されます。

 

つまり、木造2階建て(4号建築物)は結構安易に建てられるとも言えそうです。

4号建築物、4号特例の定義

4号建築物をもう少し具体的に説明してみます。

4号建築物は、建築基準法で規定されている建築物です。

法令集を紐解くと規定されていますが、かなり法律の文章は分かりにくいので、wikipediaが分かりやすく解説してくれています。

4号建築物(4号建物)とは建築基準法第6条による分類。例えば、木造2階建てで延べ面積が500m2以下のものは4号建築物(4号建物)と呼ばれる。

分類例
1号建築物
特殊建築物(建築基準法別表第1(い)欄の用途のもの)かつ 床面積>100m2
2号建築物
木造かつ 階数≧3 延面積>500m2 H>13m 軒H>9m のどれかにあてはまるもの
3号建築物
木造以外かつ 階数≧2 延面積>200m2 のどれかにあてはまるもの
4号建築物
上記以外のもの
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/4%E5%8F%B7%E5%BB%BA%E7%AF%89%E7%89%A9

ということになります。

分類方法が難しいですが、簡略的に、木造2階建ての住宅の場合と読み替えて使われています。

そして、4号特例とは、

この4号建築物においては、確認申請の審査を簡略して良いという意味になります。

簡略の方法は構造計算が不要ということです。

4号特例のメリットは?

4号特例のメリットは、審査にかかる手間の削減ということにつきるのかと。

手間の削減ということはコストの削減と読み替えられます。

それは、建築する側にとっても、審査をする側にとっても同様です。

そもそも構造計算はかなり複雑になってきますので、できる人が限られているという点があります。

それゆえに、構造計算を出来る会社に委託するなど、まだは出来る人材やソフトへの投資などの費用がかかります。

それは、当然、設計料に反映されるので、お施主様にとっても建築費用の総額はあがってきます。

 

また、4号特例のメリットとして言えるのは、構造過多にならない独創性のある建築物が建てやすいという点があるかと思います。

デザイン重視の建築物を建てる場合に、4号特例があるから建てられるという独創的な形の建築物もあります。

 

意匠(デザイン)重視、構造重視は建築家の中でも議論され続けていますので、お施主様にとってもさまざまな考え方があります。

 

4号特例があるからこそ建てられているデザイン性豊かな住宅があるのも一つのメリットと言えるかもしれません。

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4号特例のデメリットと廃止されない理由。

建築基準法、4号特例

4号特例のデメリットは、実際には耐震性が確保されていない住宅が存在するということです。

4号特例を廃止しようという動きが最初に広まったのは、2006年に、ハウスビルダーが1000棟以上も壁量が足りない新築を販売していたということ。

それで廃止しようと言う話しになりましたが、上記のメリットを理由に廃止まではならなかったです。

ですが、大地震が起こる度に、やはり4号建築物は危険・・・

という議論がおこり、2018年現在もなお、4号特例は廃止すべきという議論が沸き起こっています。

先日も、壁量不足の設計をしたとのことで、複数人の一級建築士が免許を剥奪されるということもおこっています。

また、実際に壁量が足りているのか調査をした結果、壁量が実は足りていないというのもよく耳にします。

 

2018年3月においては、日本弁護士連合会が「4号建築物に対する法規制の是正を求める意見書」を国交省に提出しており、いまもなお、廃止に向けた動きは活発です。

ですが、建築業界において、4号特例のメリットも根強く、4号特例の廃止となる動きはまだ見えてきていません。

 

4号特例を考える上で、お施主様に知っておいて欲しいこと

4号特例というのをそもそも知っているかどうかというのもポイントです。

4号特例を知らないと、木造2階建てを建てる時に、「当然安全性は確保されているもの。」という認識のもと家を建てるでしょう。

また「構造は当然ちゃんと計算されているもの。」という認識のもと契約をしているかもしれません。

ですが、構造計算は、言ってみれば木造2階建ての場合は必要ないので、していない企業の方が多いかもしれません。

 

していないならいないで。その耐震性で本当に大丈夫なのかを、しっかりと確認しておくことが大事ではないでしょうか。

なかには、木造2階建てでも許容応力度計算という構造計算をしっかりしている企業もあります。また、耐震等級制度や長期優良住宅とする企業もあるでしょう。

また、制振や免震などを採用している企業もあります。

 

つまり、4号建築物は、誰でも建てやすい建築物であるからこそ、差が出やすい建築物であると言えます。

なので、同じ2階建てを考える上でも、構造的に、耐震的にどういう違いがあるのかを調べることが大事だと思います。

 

 

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