2018年の住宅のトレンドとして出てきた新しい言葉に「育住近接」があります。
以前の住宅のトレンドとしては、「職住近接」でした。
住宅をめぐるトレンドは、過去においては、都心の価格が上がりすぎた為、郊外に居を構える、ドーナツ化現象があったり、開発によるニュータウンが流行っときもありました。
時代や人の流れによって住み方は変わるものですが、それぞれ家に関しても、年齢とともに住み方も変わるものですね。
ここでは、2018年の住宅業界をめぐるトレンドの育住近接について考えてみました。
育住近接とは?
育住近接とは、リクルートのスーモが注目している住まい子育て世代の住まい選びのスタイルです。
子育て世帯の新たな住まい選びの志向。
子育て世帯、特に共働きの親は大忙し。「少しでも子どもの送り迎えの時間が短ければ、楽になるのに」。
そんな親のニーズに応え、保育園や学童保育などをマンションや団地内に設置したマンションが続々と登場しています。
またママ同士の助け合いや子育て情報の交換の場が設けられるケースもあります。
今後、子育て世帯の住まい選びは、「職住近接」から「育住近接」に変化していくかもしれません。
出典:「育住近接」 職住近接で駅近志向が高まる中子育て世帯の住まい選びの新たな志向
具体的には、共働き世代が増える中で、職場の近くに住居を構える「職住近接」から、保育園や学童などの育児を中心として住まいの場所を選ぶスタイルのことです。
共働きで、子育てをしている場合、朝、保育園に預けて、駅に行って通勤するという流れをとっている方も多いです。
その時に、保育園が家から近いことで時間短縮にもなります。
職住近接の流れを受けて、職場に少しでも近くを望み、駅近の物件を好む傾向は変わらないものの、保育園など育児環境が整備されているのであれば、多少駅から遠くても許容できるというわけです。
確かに、最近の新築分譲マンションを見てみると、大型になると保育園を併設しているマンションが見受けられます。
駅近くの物件でそうなっているものもあれば、駅から少し離れているけど幼稚園があるという物件は思いのほか完売が早かったものもあります。
育住近接と職住近接の違い
職住近接は、職場と住居を近い距離にという動きで通勤時間を減らしてゆとりのある生活を目指そうという動きでした。
もちろんこの流れは今も継続しています。企業によっては、近くの距離い住んだ場合にのみ住宅手当を支給するというところもあり、職住近接の後押しをしています。
もちろん、職場も育児環境も住居も近いというのが理想かとも思いますが、職住近接と育住近接との違いは、育児環境か職場との距離のどちらを優先して住まいを選ぶのか?と言えそうです。
育住近接と職住近接のメリット・デメリット
育住近接と職住近接のどちらにも言えるメリットは、時間短縮を目的としているという点。
つまり移動時間を省いて、家族と過ごす時間や趣味の時間などライフスタイルを充実させようと言う点です。
実際に、職住近接を選んだ結果として、家族と過ごす時間が増えたという話しも聞きます。
育住近接のデメリットとして考えられるのは、育児中心を選ぶ結果、職場が遠くなることが多いということです。
お客様の動向を見ていると?
実際に一戸建てを購入されたお客様の様子を見ていると、職住近接か育住近接かというと、育住近接を重視されている方が多いように思えます。
特に、共働きの場合、育住近接が顕著です。もちろん戸建てかマンションかの違いはありますが。
まず、子供を預けられる場所を基準に考えていて、職場への距離は二の次というケースです。
具体的に通っている幼稚園や保育園があればその近くを基準に探したり、奥さまのご実家の近くで戸建てを探して、いつでも祖父母に預けられるような環境を選ぶ方もいらっしゃいます。
そういう場合、得てして、職場への通勤時間は1時間以内であれば・・・という感じですね。
それでも、それだけ子育てを中心にしている方って肌身感覚で増えています。
子供を預ける環境を整えないと仕事も出来ないと考えれば当然と言えば当然なんでしょう。
まとめ
育児環境をめぐる動きは政治的にも活発になってきています。
待機児童0を目指す動き。働き方改革による仕事のあり方の変化。
子連れで議会に臨むのはありか、なしか、と言った議論。
少子高齢化社会に突入している現状を考えると、育児しやすい環境を整備するのは国家としても重要なことになっています。
それを踏まえると、職場優先から育児優先の住まい選びに移行するのは当然の流れなのかもしれないですね。