池袋駅から歩くこと10分程度。立教大学が趣のある立教通りに面して君臨しています。池袋から向かうともう少し先の並びにあるのが、立教小学校。
立教大学よりも歴史的な意味も含めて存在感がある建築がそびえ立っています。
建築好きなら思わず足を止めて見たくなる作品。
それは立教小学校のチャペル。絶対に有名な建築家に違いないけど誰だろう??
と調べてみると、やはり有名な建築家の作品です。
立教小学校のチャペルを設計したのは、建築家アントニンレーモンド。
フランク・ロイド・ライトに師事したレーモンド建築の創業者です。
こちらでは、建築家アントニン・レーモンドのプロフィールや建築作品。また横浜の観光地にもなっているエリスマン邸について紹介していきます!
立教小学校講堂礼拝堂の建築家は誰?
立教小学校のチャペルの設計は、建築家アントニン・レーモンドです。
1966年に完成したこのチャペルは、2019年10月現在も存在感を保ちつつ、東京豊島区の立教通りの立教小学校にそびえ立っています。
立教大学の新設された建物が新しく綺麗で目立つのはもちろんなのですが、重厚感の漂う歴史を纏い、存在しているチャペルが持つオーラは見事です。
建築好きであれば、思わず足を止めたくなる作品ですね。
建築家アントニン・レーモンドのプロフィール
生年月日 :1888年5月10日
死亡年月日:1976年10月25日(88歳没)
出身 :オーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ)
師事 :フランク・ロイド・ライト
弟子 :前川國男、吉村順三、ジョージ・ナカシマなど
受賞 :日本建築学会賞作品賞(1952年リーダーズダイジェスト東京支社、1965年南山大学)
設計事務所:レーモンド設計事務所
建築家アントニン・レーモンドは、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルの建築の際に助手として来任。
そのまま日本にとどまり、独立してレーモンド設計事務所を設立して日本で多くの建築を残しています。
モダニズム建築の作品を多々残しており日本の建築家にも大きな影響を与えた人物で、超有名建築家の前川國男氏、吉村順三氏もアントニンレーモンド氏から学んでいると言うとその凄さがよく分かります。
数々の代表作品を残していますが、有名な作品では、日本建築学会賞を受賞した、リーダーズダイジェスト東京支社、南山大学。
有形文化財として登録されている東京女子大学の7棟(チャペル・講堂本館ライシャワー館外国人教師館安井記念館7号館(西校舎)6号館(東校舎))、兵庫県宝塚市の小林聖心女子学院本館など、さまざまな教育施設の建築も手掛けています。
立教小学校の礼拝堂の建築もその一つですね。
建築家アントニン・レーモンドの建築作品
ここからは、建築家アントニン・レーモンドの建築作品を紹介していきます。
リーダーズダイジェスト東京支社
日本建築学会賞を受賞した作品ですが、1951年に竣工してわずか12年後の1963年には取り壊されて、その跡地に、パレスサイドビルディングが建設されています。
南山大学
南山大学は、1964年に完成した日本建築学会賞を受賞した作品。
築55年を経た現在も現存しており、この歴史を次世代に継承しようと、「レーモンド・リノベーション・プロジェクト」のもとに2017年から2021年までの計画で内外装のリノベーションが進められてます。
東京女子大学の7棟(有形文化財)
有形文化財として登録されている東京女子大学の7棟は、チャペル・講堂本館ライシャワー館外国人教師館安井記念館7号館(西校舎)6号館(東校舎)。
一人の建築家がまとめてプランを描くというのは、ダイナミックで迫力がありますね。
東京都杉並区善福寺にある東京女子大学のキャンパスに文化財として現存しています。上空から見ると、マスタープランを元に設計されているだけあって、全体が綺麗で芸術になっていますね。
兵庫県宝塚市の小林聖心女子学院本館(有形文化財)
こちらも有形文化財として指定され保存されている建物です。2016年に初めて一般公開され動画として内部の様子も紹介されています。
複数の建物が文化財として登録されるのは歴史的な巨匠とされる所以と言えそうです。
アントニン・レーモンドとエリスマン邸
建築家アントニン・レーモンド氏を語る上でもう一つ忘れては行けない建築は、エリスマン邸だと考えています。
エリスマン邸は、横浜の観光地となっている有名な建築。
1926年に絹糸貿易商エリスマン氏の私邸として建築されました。フランク・ロイド・ライトに師事していただけあってフランク・ロイド・ライトの建築によく似ていると師弟としての評価も高い作品です。
現在見られる、エリスマン邸は、1990年に元町公園に移築復元された建築です。
歴史的な建築家の作品が復元とは言え、見れるのは建築を志すものとしてはとても勉強になります。
観光地となっていますので、みなとみらいに行く際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
公式HP:横浜山手西洋館公式HP
まとめ
「近代建築の父」と呼ばれた歴史的な建築家アントニンレーモンドのプロフィールと作品を紹介してきました。
個人的に、建築の魅力の一つは芸術作品としての時間の蓄積もあると思っています。
建築はデジタルアートと違って、時間とともに劣化します。修復して保存は可能ですが、どうしても時間を蓄えた姿になっていきます。
ですが、劣化とも言える建物の老朽化も、「歴史」と言う味に変わるのも建築の魅力の一つだと考えています。
特に、有名な建築家の作品であれば、その魅力が増すのは顕著だとも言えます。
建築家アントニンレーモンドの作品も時間とともに魅力を増す建築ですので、建築ツーリズムの一貫として近くに立ち寄ったときには見てみてはいかがでしょうか。