相続による土地の名義変更が義務化になると報道がありました。
「素晴らしいことだ!」
と思ったわけですが、逆にいままでは義務じゃなかったんだね・・・
と思った方もいるのでは?
義務というと、やらないと罰則があるのかなとも思うところですので、今後の情報には敏感になっておきたいところですね。
相続登記が義務化されるのはいつから?
相続による名義変更登記が義務化はいつからかと言うと、
現状では、「早ければ2018年から、法制審議会にて協議をはじめる」ということです。
つまり、実際に法律として施行されるのは、おそらく数年後からとなりそうですね。
2019年とか2020年頃というイメージでしょうか。
相続登記をしないことで問題になることってあるの?
義務と言われると、なんだか煩わしいような印象ですが、相続登記は早めにやった方が良いです。
実際に不動産業界の現場で仕事をしていると、土地売買や、建替えにおいて住宅ローンを組む場合などに、「土地の所有者の名義が誰になっているか」は非常に重要です。
例えば、親の土地名義に息子が住宅ローンを借りて建てる場合、親名義の土地の部分で連帯保証人として同意が必要になってきます。
仮に、土地の所有者が既に亡くなっている方のままだとすると、その手続きをする時には、相続登記をしてからとなります。
ここで考えるべき点は2点。
①必ず必要な時が来るという点
すぐに相続登記をしなかったとしても、建替えや売買する時には必ず登記が必要になるという点が言えます。
ずーっとその土地をそのまま放置するということは、基本的にはないかと思いますので、早めに名義変更登記をしておいた方が良いというわけです。
ちなみに、義務化することの意図は、ずーっと放置されて、土地の所有者(相続人)が分からなくなってしまうことにあります。
その所有者不明の土地は、このままだと、2040年には北海道の面積分ぐらいに膨らむそうです。
それゆえに、相続登記を義務化して所有者をはっきりさせておきたいことが狙いです。
つまり空地、空き家対策の一環です。
空地や空き家って放火だったり老朽化によって崩れたり、危険はともなうので地域環境の為にも改善が求められていますので。この義務化はかなり意義深いことだと考えられます。
②簡単に相続の登記が出れば良いのですが・・・
もう一つの考えるべき点は、相続の名義変更が簡単にできない可能性があるという点。
どういうことかと言うと、
たとえば、登記上の所有者からみて、時間の経過にともない相続が、子供世代、孫世代、ひ孫世代と進んでいると、もはや誰に権利があるのか分からなくなっていきます。
そして、名義変更にはその権利を持っている人全員の実印と印鑑証明書が必要となってきて、手続きがとてつもなく煩雑になってきます。
そして、相続は「争族」と揶揄されるように、争いになる可能性もあり得るでしょう。
なので、早め早めに手続きをした方が良いわけですね。
土地相続による名義変更って実際どれぐらいやっていたの?
土地の相続による名義変更って実はやっていないケースが多いです。
上述したように建替えをする時や売買する時にはじめて、遺産分割協議書をそろえて、相続による名義変更の登記をするということも多いです。
登記って日常的に行うような、身近にあるものではないので、どうやって良いか分からないとか、そこまで気が回らないというケースが多いようです。
相続による名義変更登記の義務化。
どういう形になっていくのかはこれからですが、これを機に、義務化を待たずして相続が発生しているならば、、名義変更の登記をいますぐにでも行っていくと良いのではないでしょうか。