建築や不動産の営業をしていて、ムズカシイなと思うことの一つに「言葉の意味」があります。
専門用語が多いんですよね。例えば、「新築」という言葉ひとつとってみても、一戸建ての新築かマンションの新築か、建替の新築か、建売住宅の新築か?という違いも出てきます。
ここでは、一戸建てについての言葉、「新築一戸建て、分譲住宅、建売住宅、マイホーム、一軒家」にどういう違いがあるのか洞察していきます。
「一戸建て」と「一軒家」の違いって何?
それぞれ辞書による言葉の意味をみてみると、
一戸建て:集合住宅でなく、1棟で1戸の家屋。戸建て。
一軒家:1. 近くに人家がなく1軒だけ建っている家。「村のはずれの―」
2 長屋や集合住宅でなく独立した家屋。一戸建ての家。
出典:デジタル大辞泉
とあります。
「一戸建て」と「一軒家」では、同じ意味で使われることが多いですが、その場合、1棟1戸の家を指すということですね。
集合住宅(マンションなど)と比較しての言葉と考えると分かりやすいですね。
ここまではそうだよね~。という確認でしたが、「一軒家」という言葉には、近くに家がない「一軒家」という意味もあるんですね。
だからでしょうか、「新築一戸建て」とは言いますが、「新築一軒家」とはあまり言わないのも頷けます。
「分譲住宅」と「建売住宅」の違いは?
続いては、「分譲住宅」と「建売住宅」の違いをみていきます。
辞書による意味では、
分譲住宅:分譲地に建設・販売される住宅。土地付き一戸建て分譲住宅や分譲マンションなどの形式がある。
建売住宅:住宅供給者が不特定多数の購買者を対象に計画・建設し販売する住宅
分譲地:ひとつづきのものを区切って売り出す土地。
分譲:一部分を分けて譲ること。特に、土地・建物などを区分けして売ること。「土地を分譲する」「分譲マンション」
出典:デジタル大辞泉
一つずつ紐解いていくと、分譲住宅とは、分譲地に建設される住宅のこと。
分譲地とは、売地をいくつかに分割して販売される土地のことです。
そして、分譲地に新築を建ててから販売するものを「建売住宅」と言います。
一般的にはあまり言われないですが、
建売住宅に対して、土地を先に販売して、その後に注文住宅を建てる場合、「売建」と言うこともあります。
「建築条件付き売地」という呼び名で販売されることも多いです。
ちなみに、ここで言う、「建築条件付き」という言葉は、「指定の建設会社で建築することを条件として販売する」土地です。
建築しないで駐車場として使うとか、他のハウスメーカーで建築するということはNGとされています。
分譲住宅の場合、建てて販売することがほとんどですので、結果的には、分譲住宅も建売住宅も同じ意味として使われることが多いです。
そして、分譲マンションという言葉は、一つの建物を複数戸に分割して(分けて)販売するので、分譲という言葉が使われています。
憧れのマイホーム!マイホームと持ち家の違いは?
マイホームという言葉。
「憧れのマイホーム。」「夢のマイホーム。」というように使われますね。
そして、「持ち家」という言葉もあります。
これも辞書に定義がありました。
マイホーム① 自分の家。また、家庭。我が家。② 借家に対して、持ち家。
出典:デジタル大辞泉
つまり、マイホームと持ち家は同じ意味ですね。
よくある質問で、「マイホームや持ち家にマンションは含まれないのか?」という疑問があります。
これに関しては、借家か所有かの違いですので、マンションも持ち家であり、マイホームですね。
夢のマイホームという言葉に代表されるように、マイホームという言葉は、主に広告や雑誌、記事などで使われる言葉かなと思います。
分譲住宅と注文住宅という言葉の違いを知っておく!
最後に、「分譲住宅」という言葉と対比されて使われる「注文住宅」という言葉について紹介します。
分譲住宅は、販売業者が間取りや内装などを決めて、建てて販売するのに対して、注文住宅は、お施主様(購入者)が間取りや内装を好みのもので「注文」して建築する内容になります。
既製品か、オーダーメイドかという違いをイメージすると分かりやすいですね。
なので、当然分譲住宅(建売住宅)よりも、注文住宅の方が価格は高くになってきます。
言葉の意味を知っていると、家を買うという選択肢が増えてきますので、「何を選んで買うのか?」という点において区別して能動的に選べるのかなと思います。
それぞれのメリット・デメリットもありますので、その違いも知っておくと良いですね!